減災協議会設立へ 茨城県南4市町、要望活動で連携 利根・小貝川流域

豊田俊郎国交副大臣(左から4人目)に要望書を手渡す県南4市町長ら=国土交通省

稲敷、龍ケ崎、利根、河内の茨城県南4市町は、管内を流れる利根川・小貝川流域の減災に取り組む協議会を設立する。筧信太郎稲敷市長、萩原勇龍ケ崎市長、佐々木喜章利根町長、野沢良治河内町長の4首長が10日、国土交通省への要望活動の後、茨城新聞の取材に対して明かした。

設立されるのは「稲敷地域利根川・小貝川流域減災対策協議会(仮称)」。防災・減災全般の協議や情報共有、専門家を招いた勉強会、国や県などへの要望活動を実施する。設立時期や活動内容の詳細は今後詰める。筧稲敷市長は「満潮時には利根川に水が滞留しやすく、堤防強化を求めたい」と語り、萩原龍ケ崎市長は「利根川が決壊すると周辺地域は水浸しになる。国と危機感を共有したい」と狙いを説明した。

設立趣旨は、両河川は過去に氾濫が相次ぎ、台風2号と梅雨前線の影響による6月の大雨でも牛久沼の越水などが発生し、広域に被害が及んだと指摘。気候変動による大雨災害は今後も発生が予想されることから、4市町は連携して減災・防災に取り組む、としている。

4市町長はこの日、両河川の治水対策費の予算確保や堤防整備などを求める要望書を豊田俊郎国交副大臣に提出した。葉梨康弘氏(衆院茨城3区)も同行した。佐々木利根町長は「堤防が低く住民は不安。今から取り組まないと安心した生活はできない」と話し、野沢河内町長は「4市町の堤防は弱く、高さも足りない。スーパー堤防やかさ上げなどの予算確保をお願いしたい」と強調した。

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