赤トンボ(加茂町下津川)

◎…秋は郷愁を誘う季節だ。山里では赤トンボの群れが透き通った羽を輝かせながら、黄金色の稲穂の上をスイスイ飛び交っている。
◎…真夏の面影を残す強い日差しが降り注ぐ中、収穫を控えた田園はまぶしいほどに鮮やかだ。豊かな実りを喜ぶかのようにアキアカネが飛び交い、日が傾けば童謡「赤とんぼ」に描かれる情景が目に浮かぶ。そよ風に波打つ稲のそばで時折、柵に止まって羽を休める姿も愛らしい。
◎…少しずつ日が短くなり、朝晩の涼しさも増してきた。山々や渓谷の紅葉、澄んだ空の下で咲き広がるコスモス…深まる季節に思いが募る。


色づいた田んぼのそばで羽を休める

© 津山朝日新聞社