佐賀県内大雨 避難所駆け込み、不安募らせ

避難所に訪れ、テレビの大雨情報を見る住民=10日午後、神埼市脊振交流センター

 10日未明の大雨で神埼市脊振町や佐賀市の山間地域には「避難指示」が出された。土砂崩れなどの恐れがある地域の住民らは明け方から慌ただしく避難所に駆け込み、強い雨が降り続く中で不安を募らせた。

 佐賀市富士町に帰省中だった50代女性は、80代の母親と一緒に北部コミュニティーセンターに避難した。「朝に雷が鳴って目が覚めた。タオルや水を持って急いで避難した」と女性。家は床上浸水したといい、「これから泥の片付けはどうしよう」とうなだれた。

 佐賀市大和町の松梅公民館では午前6時すぎから住民らが集まり、21人が避難した。松瀬地区に住む男性(82)は、朝起きると土砂が玄関まで流れ込んでいた。「雨はもう大丈夫そうだが、また今朝みたいに降ったら大丈夫だろうか」と気をもんだ。

 神埼市では午前9時時点で184人が避難した。脊振交流センターに避難した男性(82)は「川の流れが見たことのない速さだった。避難所にいるよう言われているが、薬も忘れてしまった。早く戻れたらいいが」と話した。(上田遊知、山田宏一郎、樋口絢乃) 

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