【米ビルボード・ソング・チャート】オリヴィア・ロドリゴ「ヴァンパイア」初登場1位、テイラー・スウィフト「クルーエル・サマー」TOP10入り

オリヴィア・ロドリゴの新曲「ヴァンパイア」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

2023年6月30日にリリースされた「ヴァンパイア」は、9月8日に発売予定のニュー・アルバム『ガッツ』からのリード・シングルで、Hot 100での首位獲得はいずれも2021年に達成した「ドライバーズ・ライセンス」、「グッド・フォー・ユー」に続く3曲目、TOP10には「デジャヴ」(最高3位)、「トレイター」(最高9位)を含めて5曲目のランクインを果たした。

2021年にリリースしたデビュー・アルバム『サワー』からは、TOP10入りした前述の4曲を含めて収録曲全11曲がTOP30にランクインした。なお、『サワー』からのリード・シングル「ドライバーズ・ライセンス」も2021年1月23日付で1位に初登場していて、オリヴィアは2作連続でリード・シングルをNo.1デビューさせている。

これまで、アルバムからのリード・シングルが2曲連続で1位を獲得したアーティストはいるが、そのいずれも初登場で1位を記録したのはオリヴィアが史上初の快挙。なお、「ヴァンパイア」はHot 100史上1,150曲目の首位獲得曲で、そのうち1位に初登場したのは67曲目のタイトルとなる。

「ヴァンパイア」は、今週の集計期間(2023年6月30日~7月6日)にストリーミングが3,550万回、エアプレイが2,630万回、セールスは26,000をそれぞれ記録。セールス26,000枚の内訳は、7インチ・シングル・レコードとCDによるフィジカルが17,000枚、デジタル・ダウンロードが9,000だった、

主要チャートでは、ストリーミング・ソング・チャートで1位、デジタル・ソング・セールス・チャートで2位、エアプレイ・チャートでは初登場の順位としては高い22位にそれぞれランクインしていて、ジャンル別ではポップ・エアプレイ・チャートで17位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでは22位にデビューした。

「ヴァンパイア」というタイトルが1位を獲得したのはHot 100史上初で、頭文字が「V」から始まるタイトルとしては以下に続く7曲目のタイトルを達成した。

オリヴィア・ロドリゴ「ヴァンパイア(Vampire)」(2023年)
コールドプレイ「美しき生命(Viva La Vida)」(2008年)
マライア・キャリー「ヴィジョン・オブ・ラヴ(Vision of Love)」(1990年)
マドンナ「ヴォーグ(Vogue)」(1990年)
バナナラマ「ヴィーナス(Venus)」(1986年)
ショッキング・ブルー「ヴィーナス(Venus)」(1970年)
フランキー・アヴァロン「ヴィーナス (Venus) 」(1959年)

オリヴィア・ロドリゴは2003年2月20日生まれ、現在20歳のアーティストだが、2000年代生まれのアーティストの曲がHot 100で首位を獲得したのは「ヴァンパイア」が以下に続く7曲目で、複数達成したのはオリヴィアが史上初のアーティストとなる。

ビリー・アイリッシュ(2001年12月18日生まれ)
「バッド・ガイ」(2019年)

ジョーシュ685(2002年11月5日生まれ)
「サベージ・ラブ with ジェイソン・デルーロ&BTS」(2020年)

24kゴールデン(2000年11月13日生まれ)
「ムード feat. イアン・ディオール」(2020年)

ザ・キッド・ラロイ(2003年8月17日生まれ)
「ステイ with ジャスティン・ビーバー」(2021年)

オリヴィア・ロドリゴ(2003年2月20日生まれ)
「ドライバーズ・ライセンス」(2021年)
「グッド・フォー・ユー」(2021年)
「ヴァンパイア」(2023年)

「ヴァンパイア」が1位に初登場したことで、先週まで通算13週目の首位を独走していたモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」は今週2位にダウンしたが、エアプレイは7,450万回、ストリーミングが2,980万回、セールスも8,000と主要ポイントは高水準を維持している。

Hot 100では2位に順位を下げたが、カントリー・ソング・チャートでは今週22週目の首位を獲得して、同チャート史上6番目に長い記録を更新。また、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでは今週6週目の首位を獲得して、現時点では2023年度のトップを独占している。

なお、首位獲得13週は2020年に11週を記録したロディ・リッチの「ザ・ボックス」以来の最長記録で、過去10年間では昨年15週を記録したハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」に次ぐ2番目に長い記録だった。

「ラスト・ナイト」同様に、ルーク・コムズの「ファスト・カー」も先週の2位から3位、レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」も3位から4位にそれぞれダウン。「カーム・ダウン」は、約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートで今週首位獲得週を史上最長の45週目に更新している。

先週4位だったマイリー・サイラスの「フラワーズ」も今週5位に、リル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」も5位から6位に順位を下げたが、「オール・マイ・ライフ」はR&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートで、それぞれ7週目の首位を獲得している。

続いて今週7位には、テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」が先週の13位から上昇してTOP10入りを果たした。

「クルーエル・サマー」は、2019年8月にリリースした7枚目のアルバム『ラヴァー』に収録されていたナンバーで、当初は2020年夏にシングルとしてリリースすること予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により見送られた。

今週約4年越しにチャートインしたのは、現在開催中のツアー【The Eras Tour】の反響を受け2023年6月20日に正式なシングルとしてリリースされたからで、エアプレイは35%増加の3,030万回、ストリーミングは11%増加の1,490万回、セールスも前週とほぼ同率の3,000にそれぞれ数字を伸ばしている。

アルバム『ラヴァー』からは、いずれも2019年に達成した「ME! feat. ブレンドン・ユーリー・オブ・パニック!アット・ザ・ディスコ」(最高2位)、「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン 」(最高2位)、「ラヴァー」(最高10位)に続く4曲目のTOP10入りで、自身の記録としては41曲目に更新し、ドレイクに次ぐ2番目、女性アーティストでは最多記録を塗り替えた。

68曲 ドレイク
41曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
32曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
26曲 ジャスティン・ビーバー
25曲 リル・ウェイン
25曲 エルヴィス・プレスリー(1958年以前の記録は含まれない)

「クルーエル・サマー」に続き、今週8位には米ジョージア州出身のラッパー=ガンナの新曲「FukUMean」がランクインして、以下に続く4曲目のTOP10入りを果たしている。

4位「Drip Too Hard with リル・ベイビー」(2018年)
6位「Lemonade with ドン・トリヴァー feat. NAV」(2020年)
7位「Pushin P with フューチャー feat.ヤング・サグ」(2022年)
8位「FukUMean」(2023年)

「FukUMean」は、7月1日付のアルバム・チャート“Billboard 200”で3位に初登場した新作『a Gift & a Curse』から2曲目のシングルとしてリリースされ、7月5日にミュージック・ビデオを公開したことでストリーミングが前週から12%増加の2,020万回に上昇した。

以下、テイラー・スウィフトの「カルマ feat. アイス・スパイス」が先週の8位から9位、トゥーシーの「フェイバリット・ソング」も6位から10位にそれぞれランクダウンしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月14日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ヴァンパイア」オリヴィア・ロドリゴ
2位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
3位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
4位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
5位「フラワーズ」マイリー・サイラス
6位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
7位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
8位「FukUMean」ガンナ
9位「カルマ feat.アイス・スパイス」テイラー・スウィフト
10位「フェイバリット・ソング」トゥーシー

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