TAKAみちのくが『JTO旗揚げ4周年』で目指す「所属20数名がプロレスだけで食える会社作り」への覚悟

プロフェッショナルレスリングJTOTAKAみちのく代表が7月17日(月・祝)、東京・後楽園ホールで開催する『JTO旗揚げ4周年記念大会』のPRに来社。

旗揚げ4周年を迎え、団体名を「JUST TAP OUT」から「JTO」に改称し、選手数も今や20名を超えた。

旗揚げ5年以内に所属20数名がプロレスだけで食える会社作りを目標とするTAKAみちのく代表に、後楽園大会10試合の見所、そして旗揚げ4周年を迎える心境に迫った。

『JTO旗揚げ4周年記念大会』
日程:2023年7月17日(月・祝)
時間:開場17:30・開始18:30
場所:東京・後楽園ホール

①旗揚げ4周年を迎えて現在の心境

――いよいよJTO旗揚げ4周年記念大会が迫ってまいりました。7月17日東京後楽園ホール大会。もう4周年ですか。

あっという間に4年経っちゃいましたね。

――4年って本当に早いなと私達も思うんですけれども、TAKA代表はこの4周年を振り返ってみていかがですか。

あっという間ですよね。4周年の4年って言っても、その間の2年はコロナ禍だったので。旗揚げして1年と少しくらいでコロナになってしまったので、本当によくここまで来たなというのと、あとは思い描いていたものが少し崩れたなと。本当は3周年ぐらいでもう少し大きいところを目指していろいろ考えていたことがあったんですけれども。気づいたら4年経っていました。早いです。

――今回のコロナでプロレス界、スポーツ界、エンターテイメント界が全て沈んでしまったというところがありました。その渦中にJTOも巻き込まれたというところがあったと思いますけれども。

そうですね。

――それでも着々と選手数を増やしていったというTAKA代表の手腕は相変わらずすごいなと本当に思っています。

それよく言われるんですけれども、でもそれこそKAIENTAI-DOJO時代を思い起こしても、選手数だけは多かったんです。選手は育つけれども会社は育たないという。KAIENTAIは自分は17年やりましたけれども、結局その17年で何人の選手がプロレスで食えたか。

何人の選手が本当に一流になれたかといったら、「うーん」と今でも思うので、今のままだと選手数はまだまだ増えると思うんです。だけれども会社を育てなければ、イコールTAKAみちのくを社長として自分でもっと育てなければ、KAIENTAI-DOJOと一緒になってしまうと思っています。

だから正直焦っています。3年で到達しようと思ったところに4年経っても到達できていないんです。来年の5周年までに目標としているところに到達しなければもう終わりだなと思っています。これから1年が勝負の時です。

――いわゆる背水の陣を引いてやっていくということですね。

本当にそうです。

――そういった意味ではTAKA代表が厳しいコロナ禍でも継続してこられたということも、今までの実績や周囲との繋がりがあったからなんでしょうね。

プロレス界とプロレス界以外の人たちに恵まれて何とか生かされてきたという感じです。本当に。それがなければもう間違いなく終わっていました。

――タカタイチ興行含め、デスペ選手も含めた神興行と呼ばれた大会なんかもこの間に実施されました。

新日本プロレスに一昨年の暮れに復帰して、タカタイチが復活して、去年はタカタイチ関連で大会を4つやったんです。それで収益がすごく上がって、去年は割とひゅっと越せたんです。さらに言えば今年のついこの前まで、その蓄えで回ったんです。去年、自分の30周年もあってタカタイチデスペという自分が手がけた中でも最大の大会があって、代々木に2,000人入りました。

あれがピークではダメだと思うんですけれども、自分が今までやってきた中では一番の手がけた興行だったので、タカタイチやタカタイチデスペというのを取り外してでもできなくてはいけないということで、去年でタカタイチ興行は終わって、鈴木軍も終わったわけで、今年はタカタイチ興行はないわけです。

会社はかなり収益的に厳しく何とか回していますが、このままではいけない状態で本当に焦っています。

――本当に厳しい中でも4周年を迎えて今回は東京後楽園ホール大会、JUST TAP OUTとしても真骨頂を発揮しないといけない大会になると。

そうですね。

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②『JTO旗揚げ4周年記念大会』後楽園大会の見所

――まず、大会の見どころをお願いします。

見どころだらけというか、おかげさまで選手も20数名になりました。

――増えましたね。

最近の後楽園のような東京の大きい大会は少なくとも8試合くらいあったんです。もうみんなを出したりあるいはみんながやりたいことをやっていたらそうなっていました。今回も10試合です。

――まさかの10試合。

はい。だけど、ここ最近ずっと後楽園とかは10試合だったんです。それで、どうしようかと思いました。普通に考えたら大体多くても7、8試合で、5、6試合にまとめる団体もありますよね。でもそれはやり方次第では何とかなるのではないかということで、全部収めるために一旦その後楽園とかの試合の前半戦は10分1本勝負にしてみたんです。

下手したら10分1本勝負にしたら時間切れになってしまうかもしれないと思ったんですけれども、ちゃんとその10分の中でギュッと濃い試合をするようになってきたんです。

――レベルが上がってるんですね。

もちろん時間切れもあったんですけれども。結局、15分や20分、あるいは30分1本勝負を与えると無駄にダラダラやってしまう部分もあるかもしれないと思いました。その無駄な攻防や余計なパフォーマンスを排除すれば10分でもしっかりと濃い試合ができるので試合数は10あってもいいと思い、10分1本勝負にして濃い試合をさせています。ただ10試合は多いですよね。

――後楽園で10試合というのはなかなかすごいと思います。

最近、毎回10試合なんです。今回12ぐらいになりそうになって、「さすがに多いな」と思ってあれこれ考えてギュッとしたんですけれども。

――でも、シングルマッチが本当に多い大会になっているので、そういった意味では非常に見応えがあるのではないかと思います。

はい。

――では、1試合ずつ見所紹介をお願いします。

まずはこの男子6人タッグマッチですが、ハッキリ言うとそれぞれのテーマややりたいことから残念ながらあぶれてしまった6人で、悪く言えば残りものなんです。ただ、この中にいるKEITAはアラフォーにして6月にデビューしたばかりの新人なんです。

――すごい。

うちは年齢問わず、やる気があるなら来いという姿勢でやっていて、KEITAと出会ったのは去年の暮れぐらいです。

――そうなんですか。

ただ、見た目が厳つくて、タトゥーが入ってて身体もデカイですし。

――しかもデビュー戦でフォール勝ちしてませんでしたか。

勝ちました。「何だこいつは?」と思いました。「昔からプロレスラーになりたかったけれども、いろいろ事業とかをしていてできなかったのでなれるならやりたい」ということで飛び込んできて、ちょっと練習を見たら動きも良かったんです。

長い間いろいろな武道、武術をやっていたそうで、そっちの強さもすごく持っていました。あっという間に基本も覚えてすぐに数ヶ月でデビューになりました。ただ、松江、山陰地方で事業をやっていて、いろいろなことがあってそれを全て捨てるような形で飛び出してきて、人生賭けてプロレスラーになったんです。

――すごい。

ですから多分、他の若い奴らとは覚悟が違うんだと思います。

――そこまでのバックボーンの持ち主というのは知りませんでした。

ですから新人であれど新人とは思えない驚異の人間です。

――プロレスラーになりたいと思っている方がそういう努力を諦めずにきたからこそなれたということですよね。

はい。そういうことです。うちは年齢問わず、やる気さえあれば誰でも来い、ですので。KEITAが20代の若者の中に入って、どこまで何を残せるのか。ただ残ってしまった人間とは言いますけれども、ファイヤーにしても一颯にしても、十文字はインディージュニアタイトルマッチだったんですけれども、椎葉おうじ選手が欠場で流れてここに入ってしまったわけですけれども。

本当に有望な選手が揃っているので、ここから飛び抜けてほしい、誰が飛び抜けるかなという思いがあります。

――確かにこの6人というのは本当にランキングマッチで戦ってきている選手なので、そういった部分では。

そうですね。あとはみんな20代前半、中盤の人間で若さがありますので。

――これからの戦いに要注目ですね。

そうですね。

――そして次は。

女子のタッグマッチです。これも言ってみれば残った女子なんです。うちの所属が今7人いますけれども、それぞれやりたいことをやって、残ったのがrhythm、稲葉、HisokAになってしまって、1人足りない。そこにこの緑野アミサ。元々彼女もJTOなんです。ブルドーザー亜未沙という名前でやっていて、辞めて出ていったんですけれども。

――そこからもう1度、今回は出てもらうんですね。

まさかの里帰りです。

――今回は名前は?

緑野アミサです。一度辞めた人間がまたこうやって戻ってきて、対戦するのはJTOガールズが誇る10代の2人です。これは本当に未来しかない2人ですので。稲葉あずさと現役JKのHisokAのフレッシュすぎるコンビです。

――この稲葉姉妹の妹さんは本当に負けん気が強いですよね。

そうですね。やっぱりそこはお姉ちゃんに似ていますね。まだ15歳で未来しかないです。rhythmはともかと同期で旗揚げメンバーなのにここに埋もれていいのかというのがあります。前半戦に組まれるでしょうけれども、前半戦で賑やかな試合をしてこの10代2人が大暴れしてくれたら面白いなという感じです。

――では次をお願いいたします。

プロミネンスですね。これは神姫楽ミサが望んだチームと相手なんです。神姫楽ミサが元々アイスリボン参戦時に結成したKISSmeT PRINCESSというユニットがあって、それは解散してしまったんです。キスプリというアイドルユニットだったんです。3人でいろいろライブとかもやっていたんです。

ただ、今年の頭ぐらいに解散してしまって、でもミサの中で「いつかまたこの3人で集いたい」というので、「代表、組ませてください!」と言われて、「じゃあ誰とやりたいの?」と聞いたら「プロミネンスとやりたいです」と。「いや、プロミネンスとやったらボコボコにされるよ」と言ったんですけれども、「いや、いいんです。私達はやられてもやられても這い上がるんで」と言うので。

――気持ちはいいですね。

自分としては「もっと弱い人とやって派手に勝った方がいいんじゃないの?」と言ったんですけれども。「いや、プロミネンスにも勝ちます。もう我々はボコボコになってもどんどん這い上がるから、プロミネンスとやらせてください」というので、そこまで言うならということで組みました。ですからこれはもう完全に神姫楽ミサの強い要望で組まれたカードです。

――プロミネンスは結成してから各所で話題を振りまくユニットなので面白くなりそうですね。

そうですね。

続いて、これは柳川澄樺が望んだカードで、柳川澄樺が去年ぐらいからアイスリボンに参戦するようになって、他団体にも何度か出るようになった中でこのサクライさんと出会って、組んだり戦ったりすることが増えて気が合ってようで、戦って良し組んで良しということで。

ただJTOでは絡んだことはないんです。この1週間前に横浜大会があるので、そこではタッグを組むんですけれども。4周年大会ではシングルをやりたいということで、今のところシングルでは1勝1敗らしいんです。

――お互いが甲乙つけがたい実力ということですね。

はい。良い関係なので、ここでまたシングルをきっちりとホームリングでやらせてみようかなというところです。

――楽しみです。

そして山縣vsAoiですかね。

――これはAoi選手の実力査定マッチみたいな形になりますね。

完全にそうですね。Aoiはずっと稲葉ともかを追い求めて何度も挑んで1回も勝っていないんです。この間もそれで敗れた直後に、ランキング的にともかがいて、山縣優がいてAoiなんです。上に行くにはともかを倒す前に山縣優を超えなければ、稲葉ともかに勝てるわけがないんです。

稲葉ともかは唯一JTOガールズで山縣に勝っている女子なので、ここで山縣に挑みたいというAoiの強い要望で組まれたわけですけれども、なかなかハードなところを選んでしまったなと思います。

――これもうAoi選手にとっては勝つしか未来が開けないぐらいの気持ちですよね。

本当にそうですね。今、アイスリボンに出たりGLEATに出て、宮城倫子と組んだりいろいろなことをしていろいろなものを吸収しているので。でも、ここで勝つか負けるかですごく左右されてしまうので。

――確かにこれはAoi選手にとっての正念場になりますね。

本当にそうです。これは本当にその覚悟の一戦です。

続いてQUEEN of JTO。

――優宇選手は今や他団体でも引っぱりだこの存在で、いろいろな団体で猛威を振るっていますからね。

ヤバイですね本当に。自分はSNSしか知らなかったんです。ただ、「やたらデカイな。こんなのが来たらうちの奴らはペチャンコになるな」と思っていたら、山縣優がもっとJTOガールズを成長させるためにすごい人を連れてくると言って連れてきたんですよ。山縣優が連れてきたのがでっかい優宇だったんです。

――優宇選手は元々柔道での地力があります。

力もあるし関節もできるし、JTOスタイルにピッタリはピッタリですが、いかんせん身体が違いすぎるんです。

――そうですね。もうともか選手とは体重差も相当ありますよね。

大人と子供でした。それでガールズトーナメントに参戦して、優勝したわけです。ただ、トーナメントの準決勝と決勝が同じ日で、優宇選手はこのHisokAを相手にして3分ぐらいで勝って決勝に上がったんです。稲葉ともかはAoi相手に十何分、時間切れギリギリまでの大死闘をして何とか決勝戦に。

当然、ハンデはある状態でともかは結構いいところまで追い込んだけれども残念ながら敗れてしまいました。ここで、デカい優宇さんの男気、女だけれども男気が発動して、「準決勝・決勝お互い2試合だけれども、私とともかでは全然ダメージが違うから仕切り直しで改めてもう1回やろう」という提案でここで組まれたわけです。

――彼女の男前な部分がマイクから現れましたね。

いや、めちゃくちゃ男前でしたね。

――あれは僕も拝見しましたけれども。だんだん女子選手のトップの道を駆け上がって、海外で揉まれて、そういう部分での心技体、自分の自信が発言にも出てきてるんでしょうね。

すごくだから自信があるんでしょうね。お互いハンデのない状態できちんともう1回やろうということですぐに組まれた、1カ月待たずに組まれた再戦なので、ここで勝てなかったらともかはヤバイです。

――しかもJTOの女子エースとして本当にここは負けられない一戦になりますよね。

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そしてカーベル・伊藤vs新。これはいつの間にかUWA世界ライト級チャンピオンになっていたカーベル・伊藤になぜか新が執拗に挑戦表明をしていたんです。

――これはなぜでしょうか。

「挑戦させろ、挑戦させろ」といっても、頑なに「ヤダ!」と断ってきたんです。でも今回はやっとそれが通って、聖地後楽園で対決になるんですけれども。カーベル・伊藤は新とあまりやりたくないけれども、新は何としてもカーベル・伊藤を倒したいんです。

――これは何かカーベルさんのほうに何かがあるんですね。

きっとこの2人の間に何かがあるんですよ。

――何か遺恨めいたものがあるんですね。

はい。我々には分からない根深いものがあるんだと思います。

――これは試合が始まってみないとどういう展開が起こるかというのもまだ見えないですね。

そうですね。

――カーベル・伊藤さんは本当に伊藤応援クラブのような形で大勢のお客さんを呼び込んできますので。

そうですね。今回も大応援団が来るみたいです。

――そういう応援団のアウェイなところに新選手がどうやって切り込んでいくのか。もしかしたらその応援団自体を新選手が取り込んでしまうかも分からないですね。

そうですね。

――そういう部分でも楽しみにしたいと思います。

そして、この8人タッグなんですけれども。これは題名から言いますと、「赤間AKM直哉デビュー戦&ケンイチ軍団負けたら解散マッチ」というやたら長い名前がついているんですけれども。このケンイチ軍団というのはJTOの中で唯一のユニットと言える謎のユニットなんですけれども。

正直言うとこのケンイチというのは、ハッキリ言えば本当に出来損ないな人間がこういうキャラになって、出来損ないを集めたようなポンコツユニットだったんですけれども。いつの間にかこんな風に4人になっていく中で、ARAは去年現れたダンサーで、このARAとヒロ飯島はアラフォーで30代になってからレスラーを目指した人間です。

ちょうどこれが多分ARAのデビュー1周年になると思います。プロのダンサーで役者なんです。いろいろなことをやっている中でガキの時にプロレスラーを目指してなりたかったけれどもなれなくて、でも自分と出会ったことで人生が狂ってしまったんです。

自分が「今いくつ?」って聞いて、「いや、30いくつです」っていって、「じゃあ今度一回練習来てみなよ」といって道場に来て練習を見たらめちゃくちゃ動きが良かったんです。ダンサーだから動きはいいとしてもプロレス的な動きもすごくキレッキレで受け身も取れて、「何どこかでやってた?」というぐらいだったんです。

それで去年出会ってデビューして、それを追い求めて、ヒロ飯島というのが現れて「あなた誰?」といったら、「いや、ARAの同級生です」と。「え?何?」といったら、2人で小学校の時に教室でプロレスごっこをやっていて、「いつかプロレスラーになろうぜ」って夢見てたというのをこの2人は実現させてしまったんです。

そして、そのダンス仲間のMIKAというのがいて、さらに今回加わったのが、赤間AKM直哉です。これもこのメンバーのダンス仲間なんですけれども、過去がすごくて元ジャニーズなんです。

――Twitterで拝見させていただいて、すごいですね。

元ジャニーズの、ちょっと名前は忘れましたけれども、何とかというユニットにいて今はダンサーと役者、あとは大きい声では言えないんですけれども、某テーマパークでいろいろなことをやっているんです。それでTwitterで書いたら「あれ?元◯◯の赤間くんじゃん!」というツイートがあって。

――知ってるんですね。

知ってるんです。やはりジャニーズは強いなと。彼がまたプロレスが大好きで、彼が出るということでまたチケットがポンとハネて。みんな10年以上やっているプロダンサーなので、いろいろなダンスをするユニットがプロレス界にあるかもしれないんですけれども、多分最高にかっこいい入場を演出してくれると思います。入場から注目です。

――確かに本当のプロが見せてくれるんですものね。

はい。プロダンサーがプロレスラーになりましたという4人組ですので。

――すごいですね。でも本当にそういう繋がりという部分でいうとTAKA代表の持っている、強運の星が引き寄せの法則によって集まってきたと思うので。

本当にそれでギリギリ生かされているんです。もうダメかな?という時にそういう出会いがあって生かされるんです。それで延命してズルズル気づいたらもう30年オーバーしていたんです。ただ決してそこでドカーンと跳ねないんです。ドカーンと跳ねずに緩やかに生き続けるという感じです。

――でも、タカタイチ興行とかではTAKA代表がいつも興味深いマッチメイクをするので、お客さんの満足度も相当高かったと思います。

あれはプロデューサータイチのここ(頭)なんです。奴はやはりすごくプロデュース能力があるなと感じていました。なくなっちゃったのでこれはまたあまり大きくする話ではないですけれども、「タカタイチないけど、何かやるか?」みたいな話をたまにすることはあるんです。

いろいろなアイデアがタイチからポンポン出てくるんです。「でもな、ちょっとないな」というところで。そこでタイチがポーンと何かピーンってなったら、また何かタカタイチ興行じゃない何かが生まれるかもしれないです。もう完全にタカタイチはほとんどタイチのアイデアでやってきたので、奴はアイデアマンです。

――でもTAKA代表にはそういう意味ではいい参謀が周りにも、JTOの皆さんも含めていらっしゃるんですね。

はい。いまだにこうやって鈴木軍が飛んで終わりかと思いきやこうやって繋がっているわけでから。

――そういう意味では今回ある意味純血に近い形でJTO4周年という形になりますので。

そうですね。

――皆さんがこの4年で成長した姿をファンの皆さんに改めて披露できるという場になりますね。

そうですね。確実に成長をお見せできると思います。

ーーでは次をお願いいたします。

このカードは一応メインイベント予定なんですけれども。KING of JTOです。これは文句なしにJTOが誇るスーパーヘビー級の現時点での頂上決戦です。6代目のキングになった2m綾部蓮に3位ですけれども、武蔵龍也が挑むという形です。

ずっと武蔵龍也が今年入ってから、「武蔵龍也が動けばJTOが動く」という謎の宣言をして、何かを仕掛けてくれるのではないかなと。この中で自分を除けば、本当に数ヶ月の差かもしれないですけれども一番キャリアがあって一番上の人間ですので。とにかくすごいぶつかり合いになるなと思っています。

――綾部選手も全日本参戦で石川修司選手との繋がりも経てだいぶ成長しましたね。

そうですね。だから龍也にない部分が蓮にあるんです。全日本プロレスという経験があるので。だから蓮からすれば「絶対お前とは経験が違う」というのもあると思うので、そこがうまくぶつかり合ってくれれば。というか、2人とも本当にこの身体があるので。今、小型化している中でこのデカイ2人がぶつかり合って技を決め合うだけでもすごい迫力だと思いますので。

――確かに武蔵選手は本当にJTOを代表するヘビー級レスラーというのが当初からありましたけれども、入場時の佇まいも含めて、試合運びなんかも貫禄が出てきたような気がします。

デビュー当時から、「こいつ新人かよ?」というくらいめちゃくちゃふてぶてしかったので。ちょうど龍也は4年になるので、4年目を迎えてますますふてぶてしくなってきて、何かを仕掛けようとしているので、それはそれで面白いなと思います。

――この2人のぶつかり合いが現時点でのJTOの頂上決戦で、それを皆さん見てもらうということですね。

そうですね。男子で言えばそうです。

➡次ページ(自身の出場する試合について、TAKAみちのく vs イーグルマスク)へ続く

③自身の出場する試合について

・TAKAみちのく vs イーグルマスク

――では次はTAKA代表の試合お願いします。

これは少し前に王子かどこかで変則的なランキングマッチをやったんです。わりと自分は余裕で3人掛けか何かをやったんです。

――そんな風にやられたんですか。

それで1人目2人は何とか勝ったんですけれども、3人目がイーグルマスクでやられてしまったんです。ここもイーグルの男気なんですけれども、「いや、勝ったけれども、こんな3人掛けの最後で勝ったってあれだからちゃんとやりましょう」という、優宇さんと同じパターンで言われたので。「いいけど、でも、後悔すんなよ」という感じで。

――TAKA代表としてはイーグルマスク選手の成長というのはどういう風に感じていますか。

元々身体能力がすごかったので、どこからでも飛びついてきてギュギュギュッと絞めて来る、いわゆるジャベでくるので。自分もそれでやられてしまって、最後に戦った時は早すぎてついていけなかったんです。足がもつれてしまってコケてしまったんです。

――あのTAKAみちのくが?

いや、最近ヤバイです。もうもうすぐ50歳ですので、身体の衰えが隠し切れなくなっているんです。だから「いや、ヤバイなこれ」と思って、正直焦っています。だけれども、久々に後楽園でこういうランキングマッチをやるからには万全に行かなくてはと思って今必死にトレーニングしています。

――TAKA代表は僕らからすると昔から宇宙人プランチャとかそういう姿を思い浮かべている人たちが多いと思いますし。イーグルマスク選手も確かに若さ…。

はい。若いし早いし、もうついていけないんですよ。足がもつれてコケましたから。

――やはりプロレスは難しいですね。

はい。情けないなと思いました。最近、若い奴とやるとそういうことがよくあるんです。「ああ、ついていけね」、ガクっとなってしまいます。

――TAKA代表ですらそんなことがあるんですか。

もう50歳ですよ。

――それでもグッドシェイプでいつまでも僕らからしたら「TAKAみちのくはすごい」というのがありますし。

残念ながら隠しきれないものが出てきました。本当に足にきます。

――難しいところですね。

➡次ページ(当面の目標:所属20数名がプロレスだけで食える会社作り)へ続く

④当面の目標:所属20数名がプロレスだけで食える会社作り

――そしてTAKA代表が先日おっしゃっていた当面の目標は所属20数名がプロレスだけで食える会社作りでした。

これはやはり会社をやっている者としては当たり前のことじゃないですか。5周年までにそれを実現させたいと思います。仮に所属20名全員じゃなくてもいいんです。これが半分でも、今バイトしている連中が10名プロレスだけで食えるようになっていればまだいいかなと思います。

全部が達成できなくても進みたいです。でも目標としては所属全員がプロレスだけで生きていけるような会社環境にしたいなと思っています。それはやらなくてはダメだと思うんです。そうでなければいつまで経っても会社も自分もみんなも進まないし成長しないと思うんです。

――TAKA代表のそういうスカウト能力を含めて、もしかしたらまたプラスアルファで何かいろいろな形での事業展開のような、フィットネスも今やっていらっしゃると思いますし。また対企業さんを含めた何か繋がりも今後持っていってもいいかも分からないですね。

そうですね。そっちが本当に弱いので、そういうのを増やしたいなと思います。さっきいろいろお話されたじゃないすか(インタビュー前)。ああいうのは自分では浮かんでこないことですから、ああいう案をいただけるのは非常にありがたいです。

――プロレスTODAYの運営会社の我々としても何かそういう繋がりだとか、あとはTAKA代表がおっしゃっていることは他の団体経営者の方もかなり多く思っていらっしゃることだと思います。

そうでしょうね。

――やはりプロレスだけで食える人になってほしいとファンも思っていますよね。

元々、KAIENTAI DOJOにいた筑前りょう太が率いる九州プロレスが、とてつもなく大きいちゃんとした会社として機能して、みんな所属選手も社員もみんなプロレス専業なわけです。悔しいし、けれどもすげえな筑前りょう太、コツコツと九州でやって十何年でこういうものを作ったんだなと。

あとはGLEAT、旗揚げ2年で、そこは母体がLIDET ENTERTAINMENTという会社があるとは言っても、2年で両国到達というのはすごく悔しいんですよね。「すげえな鈴木社長」と思います。そこにはやはり負けたくないなというのはあります。ただのプロレス屋でしかないですけれども、ただ何とかプロレスでそうしたいという思いが強いです。

――TAKA代表の元に集ったレスラーの皆さんも本当にそういう風な気持ちで毎日頑張っていらっしゃると思います。九州プロレスさんももう加盟している企業さんの母数がものすごく多いので。

すごいですよね。あれを学びに自分、九州に一回コッソリと行ったことがあるんです。筑前からいろいろ教えてもらって、「ああ、そういうやり方か」というので、それのやれるところをうまくうちでもやり始めているんですけれども。それこそ協賛、スポンサーを数多く集めるというのでやってはいるんですけれども。

まだまだやはり営業努力が足りなくてそこまで増やせていないので、それを増やしていくためにはやはり人脈ですよね。プロレスだけではなく、広い視野を持たないといけないとは思っているんですけれども。

――やはりプロレスをずっとやられてこられたTAKA代表だからこそ、レスラーの部分というのは非常に強みですが、経営者としての苦悩というのも相当経験されてきたと思います。

そうです。KAIENTAIを含めたら20年超えてしまったので、「20年超えてこれか」と思って焦っています。

――しかし、20年プロレスラーだけやってきたのではなくて、プラスアルファ会社経営もやってこられて団体経営もやってこられてたので、通常の選手では味わえないような苦悩というものがすごくあったのではないかと思います。

そうですね。月末の資金繰り地獄は本当にもう寝れなくなりそう、ハゲそうな日々が多かったです。

――それでもこの業界で、しかも新日本プロレスでもJUST 5 GUYSも立ち上げられながら、今こういう風なご自身の団体経営もされて、やはりそういった部分ではマット界に名を残す選手ですし、大変な人生を歩まれてるんだなというのは傍目から見ても思います。

多分、自分は自分からそっちに行っているんです。アメリカだったり、日本で大きな団体でもずっと出続けて、もしかしたら所属になろう思えばなれたかもしれないです。所属になったら安定はするけれども、多分面白くないんです。安定よりもハラハラドキドキして自分で作りたいんです。

多分そういう人間なんです。だからアメリカの最大手も辞めて、あそこなんかいれば一生食いっぱぐれないじゃないですか。でも、あそこも別に興味はなかったですし。日本でもこの自分でやりながら大きいところにも関わりつつ、なにかプロレス界を動かせるものなら動かしたいというのがあるので。

だから今回の5 GUYSもそうですけれども、何だかんだ言って最終的にSANADAを取り込んで世界チャンピオンになって、一気に最下層のユニットから一気にトップユニットになって、まだこれからどうなるか分からないですけれども、やはりそういう欲があるんですよね。

――ある意味本当に唯一無二の方だし、そういう関わり合い方というところが、他に誰もいらっしゃらない人だと思います。

自分は本当に人の真似が嫌いなので、本当それこそ唯一無二の誰もやらないようなことをしていきたいので、だからこうやって悪あがきして新人を育てて新しいルールを作ってみたりしていろいろなことをやっているんですよね。

――本当にこの4周年を踏まえて、新しいものにいつも挑戦されてるTAKA代表なので、これからも頑張っている姿をファンの皆さんとともに我々も応援していきたいなと思います。

ありがとうございます。

⑤「JUST TAP OUT」を「JTO」にした理由、大会へ向けてのメッセージ

――最後に大会に向けてのメッセージをいただければと思います。

少し前に発表したんですけれども、プロフェッショナルレスリング「JUST TAP OUT」という団体名だったのをこの4周年から「JTO」にしました。

――これはどうしてJTOにしたんですか。

呼びやすい、言いやすい、覚えやすいからです。略してJTOという人が多いので。あとは新人たちが、「ご挨拶よろしいでしょうか?プロフェッショナルレスリング JUST TAP OUTの何々です」と言っているのを見ていて、言いづらそうだな、覚えるのも大変だろうなと思って、じゃあJTOでいいかなと。それだけの理由です。

本当にこんな単純な理由で、ロゴは変わらないですし、今回は短縮のロゴにしたんですけれども。やはりNWAもそうですし、FMWとかもそうでしたけれども、やはりアルファベット3文字はいいなと思ってJTOに変えます。

――JTOになっての4周年という形なので、そういう意味では何かまたこの名前と同時に新しいものを何か見せていけそうですね。

これでガラっと変えて、その後は4周年が終わったら8月から11月にかけて初の総当りリーグ戦をやって、通常のベルトを申請することになったんです。今まではJTOルールというフォールなしの結構新人には大変なルールの中でやってきて、そろそろ別のベルトがあってもいいなと思って。

男女それぞれJTO無差別級選手権とJTOガールズ選手権、普通のタイトルを新設して、JTOルールのベルトと通常ルールのベルトが男女に1個ずつあってそれを争っていけたらいいなと思っています。

――そういった新しいもので刺激を与えてもらえるのはファンとしては嬉しいことだと思います。

はい。だからこの4周年から5周年が勝負の時だと思っていますので。もう自分は何が何でも会社を成長させていって自分を社長として成長させて、みんなが1人でも多く食えるようになる組織を作るために、死ぬ気でやっていこうと思っていますので、ぜひそのスタート地点になるであろうこの後楽園大会で、どれも意味のある試合なので、いろいろな良い選手が眠っていますので知ってもらいたいです。

――ありがとうございました。

<インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)>

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