【高校野球神奈川大会】横浜の大物1年生・阿部、堂々3安打デビュー 「お祭りみたいで楽しかった」

【上溝南―横浜】4回、中前に安打を放った横浜の阿部=相石ひらつか(番場 一浩写す)

◆横浜9-0上溝南(7回コールド)

 神奈川大会3連覇を目指す横浜で、大物1年生が堂々の公式戦デビューを飾った。横浜の阿部が「5番・中堅」で先発出場し、3安打をマーク。「緊張はしなかった。お祭りみたいで楽しかった」と笑顔で振り返った。

 どのチームも難しいという夏の初戦。加えて大飛球が戻されるほどの強風に、村田浩明監督(36)からは「低い打球を打て」と指示が出ていた。

 阿部は初打席こそ遊ゴロに倒れたが、第2打席以降は中前打、中前打、右前打と鋭い打球を外野に飛ばした。13安打を放った強力打線の中軸として十二分な働きを見せ、「チームで徹底すると決めたことがしっかりできたのは良かった」とうなずいた。

 50メートル6.0秒の俊足と巧みなバットコントロールが長所。愛知・豊橋ボーイズの先輩だった立花(国学院大)の勧めもあって入学を決めた。昨夏には甲子園でプレーする緒方や杉山らの姿をスタンドから目に焼き付け、「来年は一緒にプレーできる」と胸を躍らせた。

 1年夏から主力としてチームを支えてきた主将緒方から「おれらがカバーするから思い切ってプレーしていいよ」とアドバイスを受けた。

 指揮官から「ぶれないし動じない。横浜高校を背負っていくような選手」と期待される阿部は「今は緒方さんや杉山さんの背中を見て思いっきりプレーさせてもらっている。来年、再来年と自分が継承していかないといけない思いがある」。名門の緻密な野球を吸収していく。

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