信長の安土城「令和の大調査」へ 20年計画、まずは天主台

安土城の天主台跡で実施される整備計画のイメージ(滋賀県提供)

 戦国武将の織田信長が天下統一の拠点として築いた安土城(滋賀県近江八幡市、東近江市)のかつての姿を解明しようと、県が今秋から20年計画の「令和の大調査」に乗り出す。まず取りかかるのは、焼失した天主台の周辺の発掘。本格調査は初めてで、しゃちほこや建物の柱を装飾する金具など、天主を知る手がかり発見に期待が高まる。

 1576年に築き始めてからわずか10年で廃城となった安土城は、史料も乏しく謎だらけ。これまで昭和、平成と計35年以上にわたり県が調査してきたが、範囲は城跡の約2割にとどまる。天主跡と本丸跡から礎石や金箔瓦が見つかり、城の主郭部へとつながる大手道のルートも分かったが、全体像の把握はできていない。

 大調査に向け、県は今年3月末に整備基本計画を策定。城跡を六つのゾーンに分けて発掘や環境整備に着手する。1回目の発掘は4年計画で、天主台全体の姿や構造に迫る。

 県は天主の外観を知るため、信長が安土城の様子を描かせた「安土山図屏風」の発見にも力を注いでいる。

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