申ジエが国内ポイントランク1位に肉薄 木下彩も初シード奪取に弾み

申ジエは全米女子オープン2位でメルセデスランキングの420ptを獲得した(撮影/高藪望)

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 最終日(9日)◇ペブルビーチGL (カリフォルニア州)◇6509yd(パー72)

畑岡奈紗の惜敗、古江彩佳の充実ぶりが目を引いた今季メジャー第3戦で、国内女子ツアーを主戦場にする2人が大きな収穫を手にした。

2位タイに入った申ジエ(韓国)。2010年に世界ランキング1位になった35歳は08年、12年「全英女子オープン」に次ぐタイトル奪取こそならなかったが、4年ぶりのメジャー参戦で衰えぬ力を見せ、国内女子ツアーのメルセデスランキングで420ptを加算した。

メルセデスランキングはツアー競技の順位を数値化し、2022年から従来の「賞金ランキング」に代わる上位50人のシードを決める尺度として一本化された。その1位が「年間女王」だ。ポイント割合は、3日間大会の「1」に対し4日間大会が「1.5」、国内メジャー「2」、メジャー「4」。扱いが最大のメジャーの2位タイ(2人)の420ptは3日間大会優勝(200pt)の倍以上、国内メジャー優勝(400pt)より高い。

前週の「ミネベアミツミ 北海道新聞カップ」で、今季ツアー全38戦は前半戦19試合が終了。メルセデスランキング2位の申は1302ptで、昨季年間女王で1位の山下美夢有(1792.45pt)とは490.45pt差、つまり「日本女子オープン」など国内メジャー優勝でも届かない大差をつけられていた。しかし「全米女子オープン」で山下が予選落ちしたこともあり、一気に70.45ptという3日間大会4位(70pt)でもほぼ追いつける僅差になった。

世界ランク1位、メジャー優勝に加え、韓国、米ツアーで賞金女王を経験した申が2014年から国内女子ツアーに主戦場を移し、目標に掲げてきたのが「日本の賞金女王」。国内ツアーナンバー1の称号は「年間女王」になったものの、山下の背中をとらえて迎える後半戦、さらにモチベーションが上がることは間違いない。

大健闘で一転

木下彩は全米女子オープン13位で国内の暫定リランキングが急上昇(撮影/高藪望)

また木下彩がメジャー初挑戦で13位タイ(7人)になり、112ptを獲得した。3日間大会2位(120pt)、4日間大会4位(105pt)、国内メジャー6位(110pt)に匹敵する“ボーナス”だ。

木下は渋野日向子、畑岡らと同じ1998年度生まれの「黄金世代」にあたる。今季はQTランク2位で前半戦フル参戦の権利を手にしながら成績は振るわず、第1回リランキング(6月中旬ニチレイレディス終了時)で36位、ツアー出場優先順位を大きく落とした。

しかし、後半戦10試合目の9月「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了時点で行われる第2回リランキングへ、木下は暫定40位(67.45pt)から暫定16位(179.45pt)まで上昇。「ミヤギテレビ杯」後、秋に向けて出場人数が絞られるシーズン終盤戦6試合(日本女子オープン、TOTOジャパンクラシック、JLPGAツアー選手権は除く)に出場する目処が見えてきた。

シードを決めるメルセデスランキングも92位から58位となり“シード圏内”の50位に接近。プロ6年目で初シード獲得へ、初メジャーでの奮闘を大きな弾みにしたい。

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