小山市の乙女・網戸小を統合へ 25年4月にも 下生井小は当面存続

小山市役所

 【小山】市は11日の議員説明会で、乙女中学区内にある3小学校のうち、乙女、網戸(あじと)の2小学校を2025年4月をめどに統合する考えを明らかにした。残る1校の下生井小は当面、存続するとした。市が4〜5月に実施した乙女小との統合についての保護者アンケートの結果を踏まえた。

 アンケートは網戸、下生井小児童の保護者と、当該学区の未就学児の保護者に実施。網戸小側は30人、下生井小側は29人が回答した。

 乙女小との統合について網戸小側は児童の保護者の66%が賛成、未就学児の保護者も77%が賛成と答えた。一方、下生井小側は児童の保護者の82%が反対、未就学児の保護者は50%が反対と回答した。

 市は今後、3校の地元住民などで組織する検討委員会や、庁内検討委員会での協議を経て、10月の庁議、定例教育委員会で統合を正式決定する方針だ。田熊明子(たくまあきこ)教育総務課長は「今後も地域の方の意見を聞きながら事業を進めたい」と述べた。

 乙女中学区の3小学校については14年、教育関係者や市議、PTAなどで組織する市学校適正配置等検討懇話会が、3校の統合などを盛り込んだ提言書を市に提出した。

 その後、20年に就任した浅野正富(あさのまさとみ)市長は下生井小について、小規模校のメリットが生かされていることや、渡良瀬遊水地との近さを生かした環境教育が実践されていることを評価していた。

 市は本年度、同中学区内の入学予定者が3校の中から入学先を選択できる小学校希望選択制度を導入した。今年4月時点の児童数は乙女小399人、網戸小28人、下生井小34人。

網戸、乙女、下生井の3小学校が合同で実施した防災宿泊学習=2016年、網戸小

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