NHK、前会長の退職金減額 ネット配信予算問題で

NHKの前田晃伸前会長

 NHKがインターネット配信できる番組の範囲を定めた実施基準で認められていないBS関連の設備費用を予算計上していた問題で、NHKは11日、稟議に関わった前会長の前田晃伸氏の退職金を10%減額すると発表した。執行部が最高意思決定機関である経営委員会に提案し、議決された。

 役員の退職金支給基準などによると、前田氏には約1900万円が支払われる見込み。稟議に関わった役員のうち現在もNHKに在籍している正籬聡前副会長ら6人については、稲葉延雄会長が同日付で厳重注意した。6人は役員報酬の一部を自主返納する。NHKでは役員の処分に関する規定はなく、事実上の処分とみられる。

 記者会見した稲葉会長は「業務執行やガバナンスに対する視聴者、国民の皆さまの信頼を損ない、改めておわび申し上げます」と謝罪。前田氏の退職金減額の理由について「稟議を最終的に承認した責任は重い。在任中の改革の功績の大きさとを総合的に勘案した」と述べた。

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