「返上の気持ち一貫してある」川勝知事 ボーナスや給与返上の意向を12日の県議会で表明へ=静岡

いわゆる「コシヒカリ発言」で辞職勧告決議を受けた静岡県の川勝知事が返上するとしたボーナスや給与を返上していない問題です。知事は7月11日「返上する気持ちは一貫してある」とした上で、返上する意向は12日の県議会で表明するのが筋であると釈明しました。

11日開かれた県議会の議会運営委員会で議長が報告したのは。

<静岡県議会 中沢公彦議長>

「知事から給与返上に関して本会議で発言させてほしいとの申し出があり、許可した」

12日の県議会6月定例会の本会議で、川勝知事がボーナスや給与を返上する意向を表明する方針であることが分かりました。知事のボーナス返上の発端は、2021年の参議院補欠選挙でのいわゆる「コシヒカリ発言」です。

<川勝平太知事(2021年10月)>

「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」

この不適切な発言を問題視した県議会は。

<宮沢正美議長(当時)>

「66票中、賛成47票、反対19票で川勝知事への辞職勧告可決された」

2021年11月、県政史上初の知事への辞職勧告決議が可決される事態に発展しました。その後、川勝知事は自らのペナルティとしてボーナスと給与、合わせて440万円ほどを返上すると表明しましたが、これまで返上しないままになっていました。

<川勝平太知事(7月4日)>

「(給与・ボーナスを)返上しておりません。『給料の返上によってケリをつけたら思ったら間違いだ』と『そういう形でケリをつけさせないんだ』という動きがあったので、そうせざるを得なかった」

ボーナスを返上しないままであることについて、7月5日の県議会の総務委員会では委員から批判や指摘が相次ぎ、県民からは10日までに苦情などが約350件殺到するなど波紋が広がっていました。

<川勝平太知事(7月11日・定例記者会見)>

「誠に申し訳なかった。厳しい感情を抱かれたのは残念極まりない。償いたいという思いは今も一貫してある」

川勝知事は12日の県議会6月定例会の本会議で返上について説明し、9月定例会で返上に必要な条例の改正案を提出すると表明する方針です。

<川勝平太知事>

「2年前の11月と12月以来のこと、議会で出てきた問題なので議会で発言するのが筋」

こうした状況を受け、県議会の最大会派自民改革会議は。

<自民改革会議 増田享大代表>

「辞職を勧告した会派で、給与や期末手当の返上を求めていた会派ではない。ただ、知事が発言を実行されるのかどうか争点になる」

自民改革会議は12日の本会議での知事の発言内容次第では動議を提出して、ボーナス返上をめぐる知事の姿勢を問うとみられます。

© 静岡放送株式会社