7月11日、Cシード・幕張総合の初戦は、プロ注目の早坂響(おと)投手が先発。芝浦工大柏相手に13-0(6回コールド)で完封勝利した。
もともと捕手だった早坂投手は2022年秋に投手に転向すると、ぐんぐんと実力を伸ばし、最速151キロを記録。
投手として迎える初めての夏となったが、11日は11球団のスカウトが登板を視察した。
そんな注目の的となっている息子の姿を、一生懸命に見守る母・綾子さん。
カメラとiPhoneの二刀流でひたすら撮影しながら、球場内を走り回る姿が印象的。
チバテレ+プラス編集部が話を聞くと、“早坂投手が野球を始めた小学1年生の頃からずっとこのスタイルで応援している”ことを教えてくれた。
母・綾子さん
「ずっと撮影してきた側としては、どうしても記録に残したくなるんです。でも最後の夏だし、目で見たい気持ちもある。心と手が追い付かないです…」
「“ いろんな言葉が人に響くように”という思いを込めて名付けた『響(おと)』、その名前の通り、活躍が世の中に響いてくれたらいいですね。1戦1戦勝つことだけを考えてほしいです」
さらに、球場内には大きなカメラで早坂投手の姿を収める人がもうひとり…
「めっちゃ良くないですか?ベストポジションでした!」と嬉しそうに写真を見せてくれたのは、姉の彩葉(いろは)さん(21)だ。
中学生の頃から母親の影響でカメラを始めて以降、こうして弟の試合で撮影。「写真がすごく好き」という気持ちから、2023年4月からはカメラを仕事に。現在はウエディングフォトを撮影しているという。
姉・彩葉さん
「弟は元々小さい時から運動神経すごく良くて、いつも運動会でも1番取っていた。輝けるものがあるのは良いことだなと誇らしく思います」
「私の代がちょうどコロナ禍で甲子園がなかった年で、弟も中学3年生の時にあまり満足せず終えたと思うので、せっかく良い舞台が整っているから、ケガなく最後まで楽しんでほしいです。今後も家族総出で弟の活躍を応援するつもりです!」
“ 家族総出で ” そう話す彩葉さんの言う通り、スタンドには父・和寿さんや祖父母、伯母など家族や親戚の姿が。中には宮城県仙台市から駆けつけたという。
父・和寿さん
「去年の今頃はこんなに注目を浴びるとは思ってもいなかったです。投手に転向したてはストライクにもなかなか入らなかったので…毎試合楽しませてもらっているので、息子には感謝」
「(息子には)1人では野球はできないので、1番は周りに感謝とリスペクトをしながら、野球をやってほしいです。少しでも良い結果が出せればと思います」
親戚が集まって毎回誕生日会をするなど、“超”がつくほど仲良しな早坂一家。
開会式前日の7日には家族4人で「最後だね」「頑張ってね」と話しながら背番号部分を1針1針順番に縫ったという。
また、3日後(試合前日の10日)には“家族の想い”がこもったユニフォームをもって、祖父母宅へ。早坂投手が直接ユニフォームを見せに行った。
早坂投手の祖父
「ユニフォーム着せてくれて写真を撮りました。こんな機会はないので、やっぱり嬉しいですよ。響は希望なので頑張ってもらいたいです」
そんな多くの愛情に囲まれながら登板した早坂投手。試合後の囲み取材では、多くの記者が早坂投手を囲んだ。
試合後の早坂投手はー
「春とは球場の雰囲気が全然違う。今まで感じたことのないマウンドの雰囲気でした。今日の試合は声の大きさや勢いで、相手の圧を感じました」
一方、注目を浴びていること、スカウト視察が沢山来ていることについては「想像していなかった。春にスカウトマンの数が増えた時には舞い上がって落ち着かなかったが、今では見られていることすらも楽しめている。結果を残したいです」と話しました。
なお、応援に来ている家族について聞くと…
「いつも試合が終わった後にスマホをテレビに繋いで家族みんなで写真をみるのが日課です。お姉ちゃん写真撮るの上手いので、いつも楽しみにしています」
実は今、お姉ちゃんが撮ってくれた写真をSNSのアイコンにしているんだとか。
「(家族は)自分の記事が出た時に誰かがすぐ見つけて家族のラインに送ってくれる。すごくモチベーションというか、頑張りたいなと思わせてくれる存在です」「色々支えてもらっているので、この夏良い試合、良い場面をみせて恩返ししたいです」
試合後の囲み取材で「勝ったので肉…ステーキが食べたい」と話した、早坂投手。 母・綾子さんに伝えると「ありがとうございます!今日はステーキにします!」と笑顔で答えた。
家族の応援も味方に、早坂投手は今夏の大会で世代最速となる155キロを目指す。
この夏に“熱響”を!!
幕張総合の次戦は14日、ZOZOマリンスタジアムにて我孫子東と対戦します。