南海電鉄、eスポーツを収益源に 新社長、第3の柱へ意欲

インタビューに応じる南海電気鉄道の岡嶋信行社長

 南海電気鉄道の社長に4月に就任した岡嶋信行氏(56)は11日までに共同通信などのインタビューに応じ、コンピューターゲームなどの腕前を競う「eスポーツ」事業に注力する方針を表明した。「鉄道、不動産に次ぐ第3の収益源が必要だ」と強調。テレワークの普及などで鉄道利用者数が減少傾向にあり、新規事業への投資を進める。

 岡嶋氏はeスポーツについて「青少年の健全育成や高齢者の生きがい創出につなげたい」とした上で「日本で確立されていないビジネスモデルをつくっていく」と意気込んだ。

 既に大阪府や佐賀県などで体験型の5店舗を展開するほか、大会運営にも参画する。「大きな利益は出ていないが、五輪などの競技に採択される可能性もある」と期待を寄せる。

 鉄道事業は、インバウンド(訪日客)の復調で、大阪・難波と関西空港を結ぶ特急「ラピート」の乗車率が新型コロナウイルス禍前とほぼ同水準まで回復。「中国人の団体旅行客が戻れば、コロナ禍前以上の活況を呈する」と見通した。

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