郵便局に通い1日100円貯金…97歳男性が通算6000回達成 福井県小浜市、自転車こいで25年間ほぼ毎日

落谷敏夫局長(右)から6千回達成の認定証を受け取る山本實さん=7月5日、福井県小浜市の口名田郵便局

 福井県小浜市の口名田郵便局が実施する、1日100円ずつ貯金する「桃の実貯金」で、近くの山本實さん(97)が7月5日、通算6千回を達成した。25年間、ほぼ毎日窓口に通い続けており「おかげさまで元気。足が動く限り続けたい」と笑顔で話した。

 利用者の健康維持と交流活性を図り、1998年から同郵便局が独自に始めた制度。1日1回貯金するごとに、専用のスタンプカードに1個押印される。

 山本さんは制度開始当初からの会員で、現在も雨の日以外ほぼ毎日、自宅から自転車を5分ほどこいで通っている。70代以上を中心に約40人の会員がいるが、6千回はダントツの記録という。この日は、落谷敏夫局長が記念の認定証を山本さんに手渡した。

 桃の実貯金は日々のルーティンになっており「これがないと1日が始まらん」と山本さん。郵便局利用者は近所の知り合いが多く「あいさつ程度やけど、会うと元気が出る」と話す。

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 自宅では読書や掃除をして過ごし、食事は自分で作る。子どもは3人、孫とひ孫が7人ずつおり「ひ孫にはお年玉あげてるんや」とにやり。「元気に過ごせて、今が一番幸せ。(貯金を)続けられるように、家でもこけんよう気をつけんと」と穏やかな表情を見せた。

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