ウクライナ安保再建を宣言 NATO首脳、一体化推進

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれたリトアニアの首都ビリニュスで手を振るウクライナのゼレンスキー大統領(右)と妻オレナ氏(ロイター=共同)

 【ビリニュス共同】リトアニアの首都ビリニュスで開かれているNATO首脳会議は11日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの安全保障・防衛部門の再建を宣言する声明を発表した。NATOとの「完全な相互運用性」を確保するための支援策を盛り込んだ。将来的なウクライナ加盟を見据えて軍事面での一体化を進め、ロシアに対抗する。

 声明はウクライナの加盟を確約した「2008年のブカレストでの首脳会議における約束を再確認する」とした上で、加盟手続きを短縮することを確認した。時期については「加盟国が同意し条件が整えば、ウクライナを招請する立場にある」とするにとどめた。

 GDP比2%を達成するとしていた加盟国の防衛費の目標を「最低2%」とすることや、冷戦終結後は初めてとなるロシア攻撃時の「地域防衛計画」の策定も盛り込んだ。

 NATOが「委員会」から「理事会」に格上げしたウクライナとの協議枠組みが「危機の際のNATOとウクライナの協議メカニズムとしての役割を果たす」と期待感を示した。

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