東京円、139円台に上昇 1カ月ぶり円高水準

一時1ドル=139円台を付けた円相場を示すモニター=12日午前、東京・東新橋

 12日午前の東京外国為替市場の円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=139円台を付けた。6月中旬以来、約1カ月ぶりの円高ドル安水準。6月30日には一時145円台まで円安ドル高が進んだが、その後、米国のインフレが鈍化傾向にあるとの観測から、一転してドルを売って円を買う動きが強まった。

 午前10時現在は前日比80銭円高ドル安の1ドル=139円73~74銭。ユーロは76銭円高ユーロ安の1ユーロ=153円93銭~154円02銭。

 前日のニューヨーク外国為替市場では、最近の経済指標を踏まえ、12日に発表される米消費者物価指数(CPI)がインフレの鈍化を示すとの見方が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを近く停止するとの思惑から、ドル売り円買いが進んだ。

 東京市場もこの流れを引き継ぎ、日米の金利差縮小を意識して円を買う動きが優勢となった。

 市場では「日銀が現在の大規模な金融緩和策を修正するとの思惑も円買いを後押ししている」(外為ブローカー)との声が出ていた。

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