高島誠が教えるグローブのはめ方/使い方、グローブを動かせる範囲とは!?【革新的守備・走塁パフォーマンス】

グローブのはめ方

グローブには5本の指に対してそれぞれ差し込む箇所が設計されているが、小指に2本(小指、薬指)を入れたほうが操作しやすくなる型もある。その場合、いわゆる“コユニ”のほうが動かしやすくなり、シングルキャッチもしやすい。

小指に2本入れる

親指は普通に入れる。人差し指を差し込む箇所を空けて、中指の場所に人差し指、薬指の場所に中指を挿入。小指の個所に薬指と小指を入れる。腕を伸ばして薬指を軸に回転させると、5本の指をそれぞれの箇所に入れた場合よりスムーズに回せる。

小指に1本入れる

グローブの穴のとおりに5本の指をそれぞれ入れる(写真のように人差し指を出す場合もある)。その状態で腕を伸ばし、人差し指や中指を中心に回転させてほしい。身体の構造上、薬指を中心に回した場合より、筋肉を使うので回しにくい。

当て捕りグローブ(小指1本)

いわゆる“当て捕り”に向いたグローブ。特に人差し指を外に出す場合、腕を伸ばして回転させると人差し指が軸になるため、動きがブレて操作性が悪くなり、正面以外のゴロの対処は難しくなる。

グローブのはめ方

【小指に2本入れる】 素手で見ると……

素手の状態で、薬指と小指をくっつけてそこを中心に回転させてみよう。5本の指が離れた状態で行うより、スムーズに回ることがわかるはずだ。慣性モーメントの違いによる影響。

【小指に1本入れる】 素手で見ると……

5本の指を離した状態で腕を伸ばし、回転させてみよう。右ページのように薬指と小指をつけて回すのと比べ、小指の抵抗を感じるはずだ。指の開き方により、慣性モーメントが少し大きくなる。

グローブの使い方

グローブはボールを捕るための道具だが、“当て捕り”をしやすいために設計されているものもある。違いはポケットの深さや、土手の広さなど。形状が捕球に大きな影響を及ぼすので、グローブ選びも重要。

小指2本グローブ(縦横型)

グローブのポケットが深めにつくられているので、シングルキャッチをしやすい。もちろん、投げる側の手を添えて両手で捕ることもできる。当て捕りをすることも可能だ。

グローブの土手の部分が横綴じとなっていて、親指と小指を柔らかく使いやすいように設計されている。ポケットも深く、全体的に丸みがあるので、手の感覚のようにしっかりつかみやすい。

当て捕りグローブだと……

“当て捕り”用のグローブはポケットが浅く、ボールをしっかり握ることができないので、グローブにボールを当てたらすぐに手を添えなければならない。つまり、守備範囲がどうしても狭くなる。

グローブを動かせる範囲を考える

両手で捕る場合と、シングルキャッチではボールに届く範囲が変わってくる。どちらもメリットとデメリットがあるので、打球に応じて使い分けられるようになろう。

両手で動かせる範囲

両手で捕るためには送球側の手を添えていなければならないので、片手の場合よりボールに届く範囲が狭くなる。

片手で動かせる範囲

守備位置の左右に飛んできたライナーやゴロの場合、シングルキャッチのほうが遠くまで届く。捕り方が守備範囲の広さにも影響する。

足を伸ばして両手で動かせる範囲

足を伸ばすと、左右の打球にもある程度対応できる。送球までの時間に余裕がある場合や強い打球には正面で捕球すればいい。

足を伸ばして片手で動かせる範囲

シングルキャッチの場合、足を伸ばせば守備範囲がかなり広くなる。野手の間を抜けそうな打球でも、逆シングルなら捕球可能。

出典:『革新的守備・走塁パフォーマンス』高島誠

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気になる中身を少しだけご紹介!グローブはどう選ぶ?

近年のトレンドは操作性の高い“コユニ”

野手にとって“相棒”とも言えるグローブを選ぶ際、どういう基準で決めていますか?憧れの選手が使っているとか、好きなメーカーだからなど、見た目を優先している人も少なくないかもしれません。もちろんカッコいいにこしたことはないと思いますが、最も重要なのは捕りやすさです。そこでまず考えてほしいのが、どんなグローブを使えば守備範囲が広くなりやすいかということです。まず、ゴロをさばく体勢は「正面で捕る」と「片手で捕る」の2パターンに大きく分けられます。本書では「正面で捕る」ことにこだわる必要はないとしていますが、主な理由は以下になります。

①パフォーマンスラインで左足が使いやすい場合、ゴロの正面に入るより、体の左側で捕球するほうが動きやすいという人もいる
②両手で捕る(正面で捕る)より、片手で捕る(シングルキャッチ&逆シングル)ほうが、守備範囲が広くなる
③正面に入っての“当て捕り”では、強い打球には対応しにくい

守備で大切なのは、いかにアウトの数を増やしていけるかです。それにはプレーの正確性や素早さ、そして守備範囲の広さが関わってきます。③で挙げた“当て捕り”は、素早いプレーにはつながるでしょう。グローブで捕球するのではなく、文字どおりグローブの土手でゴロをあてるようにして止めて、添えている手で素早く握り変えて送球できることがメリットです。ただし、“当て捕り”は両手で捕る(正面で捕る)ことを前提としているので、守備範囲が限られます。強いゴロが飛んできた場合、グローブの土手に当てても打球の勢いに負けて大きく弾いてしまうこともあるでしょう。対してシングルキャッチや逆シングルは、正面に入っての捕球より守備範囲が広くなり、強い打球にも負けずにキャッチできます。練習していけば、正面で捕るのと同じくらい捕球の精度も高められるはずです。メジャーリーガーの多くがシングルキャッチと両手での捕球を状況によって使い分けていることを考えると、必ずしも「正面で捕る」必要はないのです。シングルキャッチの確率を高めていく上で重要になるのが、どんな形状のグローブを選ぶかです。一般的にグローブは「縦型」と「横型」に分けられますが、私はもっと細かく分類する必要があると考えています。例えば野手の場合、グローブのポケットが深いとシングルキャッチをしやすく、そうした形状のものを「縦横型」と呼んでいます。

一方、“当て捕り”用は「縦型」で、ポケットが浅いです。そもそも土手で当てて止めることを目的につくられているので、ポケットが深くある必要はないのでしょう。本書で述べてきたように私はシングルキャッチもできることを推奨していますが、そうした捕球をする上で、近年プロ野球の名手たちの間で流行し始めているのが、“コユニ”という仕様のグローブです。文字どおり、グローブの小指を指す箇所に薬指と小指の2本を入れて、中指と人差し指はそれぞれ1本ずつ横にずらし、人差し指の箇所を開けて装着します。詳しくは66ページから説明していますが、人間の身体の構造上、薬指を中心に回転させたほうが手の操作性を高めやすくなるのです。加えて“コユニ”にするとグリップの力が上がりやすいので、強い打球にも負けずに捕球しやすくなります。そうして上手くキャッチできれば、スムーズな送球にもつなげやすいはずです。

“打球は変化する”ことを理解しよう「ボールのどこを打つかで打球にかかる回転は変わる」

プロ野球選手の一流打者は、打ちたい打球をイメージしてボールとコンタクトする場所を狙い分けると言います。細かく分けると、ボールは上、下、外、内、前、後ろを打つことができます。同じ軌道のスイングでも、どの場所を打つかによって打球にかかる回転が変わります。だから、ボールの打つ場所を狙い分けるというのです。学生野球でそこまで狙える選手は珍しいでしょうが、さまざまな打球が飛んでくることは変わりません。

逆に言えば、規則的な回転の打球が飛んでくるとは限らないのです。ゴロがイレギュラーにバウンドするのはグラウンドの凹凸などに要因がある場合もあれば、そもそも打球の回転により、地面と接地した際に不規則な方向に弾んでいくことも考えられるわけです。イレギュラーバウンドのゴロに対応するためには、まずはそう知っておくことです。その上で、スピンアクシスボールでノックを受けてみてください。バットの入射角や、スイングの軌道、ボールを打つ場所により、打球にかかる回転の違いを視覚的に捉えることができます。そうしたイメージを持っておくだけでも、実戦での対応が変わってくるはずです。

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著者の高島氏の元には今なお、シーズンオフの自主トレで球団の垣根を越えて、プロの野球選手が集まってきます。長くプロ野球選手を続けるために、自分に必要な技術を高めるため、高島氏の始動を求めて来るのです。本書はそこで教えるメソッドを具体的な練習方法と共に紹介しているので、あなたも「俊足」「強肩」を獲得できるようになります!

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『革新的守備・走塁パフォーマンス』
著者:高島誠

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