27歳、ネパールで「35人のパパ」に 孤児院運営する竹中さん「子どもの当たり前を守りたい」 沖縄アミークスで特別授業

 【うるま】ネパールで孤児院を運営する社会活動家の竹中俊さん(27)=大阪府出身=は6日、うるま市の沖縄アミークスインターナショナルで特別授業を開催した。ネパールの生活や人々の姿を写真で紹介しながら、「ご飯を食べたい」「学校に行きたい」という「子どもの当たり前を守れる大人でありたい」との思いを生徒らに伝えた。

 ネパールはアジアの中でも貧しい国だ。食事も不十分で、働くために学校に行けない子どもも少なくない。「権利を無視されている子どもがたくさんいる」と現状を伝えた。

 竹中さんは8年前に初めてネパールを訪れた。空港で子どもに囲まれ「お金ちょうだい」「ご飯が食べたい」と声をかけられた。路上で生活する子どもの姿も目にし「何かしたいと思った」ときっかけを話した。

 「ご飯を届けたい」と募金などに取り組むも、最初は誰も協力してくれなかった。諦めずに思いを発信し続け、少しずつ支援者が増えていった。今では孤児院で35人の子どもたちと生活する。

 さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもたちは「忘れたいこともあるけれど、幸せに目を向けて強く生きている」と伝えた。竹中さんは自身を「35人のパパ」と表現する。「成長する姿を見ることが何より面白い。頑張れる」と原動力を話した。

 特別授業を聞いた生徒は、竹中さんが教えたサッカーが日々の楽しみとなり「明日頑張ろうと思える」と話した少年の姿が印象に残った。「サッカーで楽しみを増やしている。自分と同じだ」と共通点を感じた。絵を描くことが好きだという別の生徒は「絵を通して支援してみたい。ボランティアにも興味を持った」と語り将来への視野が広がったようだった。

(金盛文香)

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