国連総長、安保理に「失望」表明 シリア北西部への支援で決裂

米ニューヨークの国連本部=2021年(共同)

 【ニューヨーク共同】国連のグテレス事務総長は11日、安全保障理事会が内戦下のシリア北西部の反体制派地域に隣国トルコから物資を運ぶ越境支援を延長できず決裂したことに「失望」を表明した。延長期間で欧米などは冬をまたぐ9カ月間、ロシアは半年間を主張して対立している。

 グテレス氏はドゥジャリク事務総長報道官を通じた声明で「越境支援はシリア北西部の数百万人にとって文字通り生命線となっている」と強調し、延長に向けて協力するよう安保理の各理事国に要請した。

 トルコ国境1カ所からの搬入を認める安保理決議は10日に失効した。シリアのアサド政権は、他の2カ所からの支援を許可している。

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