豪雨5年 復興への活動振り返る 岡山大でシンポ、研究者ら報告

西日本豪雨からの復興などをテーマに岡山大が開いたシンポジウム

 岡山大は12日、2018年7月の西日本豪雨からの復興やまちづくりをテーマにしたシンポジウムを同大津島キャンパス(岡山市北区津島中)で開いた。ボランティアとして活動した元学生や研究者らがこの5年を振り返り、必要な取り組みを話し合った。

 同大の研究者や卒業生のほか、国土交通省岡山河川事務所の職員ら10人が登壇。各自の活動などが報告され、約80人が聴講した。

 同大文明動態学研究所の今津勝紀教授は「岡山史料ネット」の代表として、民家や寺で水没した古い手紙、びょうぶなどの歴史資料を修復する活動を紹介。「一人一人にとって大切な物を救出していくことが復興には大切だ」と強調した。

 同大学術研究院の前野詩朗特任教授は豪雨が起きた当時の堤防決壊や河川氾濫のシミュレーションを示し、命を守るための避難のタイミングを説明。倉敷市真備町地区にある市立薗小の養護教諭・妻沢優希さんは、学生時代に豪雨の被災地で子どもの学習支援などしたことを話し、「当時の経験を生かして子どもたちの気持ちに寄り添いたい」と述べた。

© 株式会社山陽新聞社