日本、NATO安保連携拡大 中国にらみ新協力文書

共同記者発表後、NATOのストルテンベルグ事務総長(右)と握手する岸田首相=12日、リトアニア・ビリニュス(共同)

 【ビリニュス共同】岸田文雄首相は12日(日本時間同)、欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長とリトアニアで会談した。サイバー防衛対処、宇宙安全保障など16分野での協力を盛り込んだ新文書「国別適合パートナーシップ計画」(ITPP)を発表。NATO部隊演習への自衛隊の参加拡充や緊急援助の共同行動を明記した。覇権主義的行動を強める中国をにらみ、インド太平洋地域での連携拡大を打ち出した。

 首相はリトアニアで開催されたNATO首脳会議に出席し、NATOの基金に拠出した3千万ドルを活用してウクライナに対無人航空機検知システムなど殺傷性のない装備品の供与を進めると表明。「基本的価値と戦略的利益を共有するパートナーは、その絆をさらに深めるべきだ」と述べた。首脳会議は2日目の討議を行い閉幕。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続を確認した。

 首相は記者発表で「インド太平洋への関心と関与を高めるNATOとの連携を一層深化していきたい」と強調した。

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