教育現場は慎重な対応 生成AIガイドラインを文部科学省が公表

チャットGPTなどの生成AIについて、文部科学省は教育現場でのガイドラインを公表しました。生成AIの活用が社会で急速に進む中で指針を示した形ですが、現場はまだ慎重な対応を求められています。

永岡桂子文部科学大臣「生成AIの仕組みの理解ですとか、学びに生かしていく観点も重要と考えております」

文部科学省は4日、小中高校向けのガイドラインを示しました。

生成AIの不適切な活用法として「コンクールの作品などを提出する際、AIがつくったものを自分の成果として提出する」ことや「定期考査や小テストなどで子ども達に使わせる」こと、「生成AIのメリットやデメリットなどを学習せずに使わせること」などを挙げています。

一方、適切な活用法としては「生成AIの性質や限界を学ばせること」や「英会話の相手にすること」などを挙げています。

宮城県の登米市立加賀野小学校では12日朝、校長自らが生成AIのメリットとデメリットを児童に伝えました。

加賀野小学校二階堂浩一郎校長「指示をすれば何でも答えてくれる魔法のランプ。そもそもインターネット上にある情報って全部正しいんでしたっけ?」「正しいとは限らない」「正しくない」

主な生成AIの規約には年齢制限があり、チャットGPTの場合は13歳未満の利用は認められていません。

加賀野小学校でも当面の間、生成AIを児童に利用させない方針です。

子どもたちが将来、生成AIを適切に使いこなすための知識や判断力を身に付けてほしいと話します。

加賀野小学校二階堂浩一郎校長「(AIの回答が)怪しいかどうか分かるためには知識が必要。ということは色々な教科で勉強する知識をしっかりみんな身につけなきゃいけない。そして友達と話し合ったりすることを通して本当かどうか、しっかり見抜く力を身につける」

子どもたちは生成AIについて考えたことをタブレットにまとめました。

児童「AIに頼ってしまうと、自分のためにならないからあまり良くないと思いました」「インターネットはなくてはならない存在なので、気を付けてこれからも利用していきたいです」

加賀野小学校二階堂浩一郎校長「生成AIと呼ばれるものはこれからの時代には避けては通れない、普及していくものだと考えています。子どもたちに必要な情報活用能力を育んでいくことがまず大切と考えている」

© 株式会社東日本放送