積乱雲から気流発生か 11日の突風 気象庁調査班が推定 茨城・境で被害102件

11日夜の突風で支柱が折れたゴルフ練習場=境町百戸

境町など茨城県西地域で11日夜に発生した突風被害で、被害地域の状況を調べる気象庁機動調査班が12日、現地調査を実施し、突風の種類について積乱雲から吹き下ろす気流「ダウンバースト」か「ガストフロント」の可能性が高いと明らかにした。同町では、瓦の落下や塀の倒壊など102件の被害報告があった。

水戸地方気象台などによると、突風は11日午後6時10分ごろから、群馬県館林市から茨城県坂東市にかけて発生。調査は、同市と同町、同県五霞町などで実施した。

調査班は、突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中で、被害や痕跡に面的な広がりが見つかったり、風向きが内から外へ散らばるように吹いたりしたことなどから、2種類の突風のいずれかが発生したと推定。1~10分程度と比較的短時間で、強雨や降ひょうが伴っていたなどの証言もあったという。

突風の被害は境町に集中。同町百戸(もど)では、ゴルフ練習場の支柱(高さ約30メートル)上部が折れたほか、農業用ハウスが破損するなどなどの被害があった。町によると、屋根瓦の落下や屋根の一部破損、塀倒壊などが51件、倒木が16件、農業用ハウスの破損12件など計102件の被害報告があった。

ゴルフ練習場で片付け作業をしていた男性(68)は「雷が鳴って10~15分後には3メートル先が見えなくなった。柱の破片が風に巻き上げられ、竜巻のようだった」と話した。

坂東市では建物被害が5件、倒木が10件あった。五霞町では屋根が吹き飛ぶ被害が1件、倒木が5件発生した。

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