NATO東京事務所 NATO側検討の判断待ち

 岸田文雄総理は11日、リトアニア公共放送局の書面によるインタビューに答え、「今回のNATO首脳会合ではロシアによるウクライナ侵略をはじめとする現下の国際安全保障環境を踏まえ、日NATO協力を一層具体化し、強化するとともに、この機会を捉えてリトアニアをはじめとする各国首脳とのバイ会談も実施し、インド太平洋情勢等に関して同志国との連携を確認する考え」とした。

 一方、NATOによる日本へのリエゾン・オフィス設置についての問いには「NATOにおいて種々検討が進められていると承知している。我が国としては欧州とインド太平洋の安全保障は不可分との認識の下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するため、日NATO間の協力を更に強化していく考えだ」と関係強化を図っていきたい考えは強調したものの、NATO東京事務所については開設へ積極関与するのではなく、NATOの判断を待つ姿勢をうかがわせた。

 岸田総理は中国がNATOと日本の接近を繰り返し批判していることへの受け止めを聞かれ「国際秩序が深刻な挑戦を受ける中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するためにはインド太平洋の同盟国、同志国のみならず、欧州の同志国やNATOのような機関との連携も重要。こうした連携は地域の緊張を高めるようなものではなく、国際社会全体の平和と安定に資するもの」と答えた。(編集担当:森高龍二)

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