「水曜どうでしょう」テーマ曲でおなじみ、樋口了一が俳優初挑戦!『いまダンスをするのは誰だ?』10月公開

「水曜どうでしょう」のテーマソング「1/6の夢旅人2002」や、「第51回 日本レコード大賞」優秀作品賞(2009年)を受賞した「手紙~親愛なる子供たちへ~」で知られるシンガーソングライターの樋口了一が、俳優に初挑戦した映画『いまダンスをするのは誰だ?』が10月7日より公開されることが決定。併せて、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となり、キャスト&スタッフよりコメントが寄せられた。

本作は、仕事一筋で家庭を顧みなかった主人公がある日、40代で若年性パーキンソン病と診断されたことで出会った人たちや、「ダンス」を通じて自らの生き方を見つめ直していくストーリー。

樋口自身も、「第51回 日本レコード大賞」優秀作品賞を賞した2006年頃からギターが弾きにくくなり、声が出しづらいといった体の不調を感じ始め、その原因がパーキンソン病だと2009年診断されているが、現在も定期的にライブを行うなど、故郷の熊本を拠点にパーキンソン病と闘いながら音楽活動を続けている。現在59歳、撮影時は58歳。パーキンソン病当事者が主演する映画は日本初となる。

今回、自身初となる映画主演を務める樋口了一は、「難病の中年サラリーマンの、みっともなくてなりふりかまわない真っ直ぐな気持ちを込めた人生というダンス」と見どころを語った。

樋口を役者として主演に起用した古新舜(こにいしゅん)監督は、「生活のリアルな仕方や、仕事での苦労、自分との葛藤。パーキンソン病当事者の樋口さんだからこそ表現できる表情や心の声を臨場感あふれる演技で披露されています」と語った。

また、本作の発起人の松野幹孝さんは証券マンとしての働き盛り2012年、パーキンソン病と診断された。病気の実情が知られていないため、孤立し苦悩した。その実話をもとに原案を作成し、孤立から救い、病気を知ってもらうため映画化に奔走した。2022年3月、クランクイン直前、息を引き取った。享年67歳。

ダンスインストラクター役に杉本彩、上司役に塩谷瞬、パーキンソン病仲間にIZAM、渋谷哲平、社長役に吉満 寛人、顧客の病院院長役に新井康弘ら実力派俳優が集結した。

予告編は前半はアップテンポな主題歌に載せてパーキンソン病になり職場や家庭で自暴自棄になる、後半はしっとりとした「手紙」にのせてダンスきっかけで仲間に勇気をもらい、希望を見出していく、樋口の等身大の姿に引き込まれる。

ポスタービジュアルは公園でスーツ姿でよれよれでひとりぼっちの主人公のスチールをメインに、周囲に救われていく物語をあたたかな目線で表現。前向きで思わず応援したくなる仕上がりになった。

▼キャスト&スタッフ コメント

■樋口了一(主演・主題歌)
見どころ:難病の中年サラリーマンの、みっともなくてなりふりかまわない 真っ直ぐな気持ちを込めた人生というダンスを是非ごらんください。

主題歌に込めた思い:監督が書かれた歌詞が、若々しい息吹に満ちていたので、若かった頃のエネルギーをもう一度盛り込みたいと思って作りました。多分自曲の中で1番テンポが早い曲だと思います。

撮影で大変だったこと:薬を飲む配分とタイミングに苦労しました。

病気の治療、歌手活動、病の啓発活動、そして日々の暮らし:故郷の熊本に生活の拠点を移して12年が経ちました。やはり、その中で日々向き合っている自分の抱える病からインスピレーションを受けて作る曲が増えたように思います。

■古新舜(監督・脚本)
樋口さんについて:生活のリアルな仕方や、仕事での苦労、自分との葛藤。パーキンソン病当事者の樋口さんだからこそ表現できる表情や心の声を臨場感あふれる演技で披露されています。身近で当たり前の存在だからこそ、ついつい蔑ろにしてしまい、コミュニケーションを欠きがちの家族という存在が、自分の気づかないところで生活を支えてくれている。樋口さんは自然体の演技で、家族の愛の大切さに気づいていく表現をしてくれています。

パーキンソン病について:職場でも家庭でもパーキンソン病のことを告白できず、孤立してしまう方もいます。この病気の認知を広め、社会で取り残される人を減らしていき、職場や家庭においての両立支援を行う手がかりとして、パーキンソン病の方と社会との架け橋を作りたいという想いで、この作品を制作しました。

■松野裕(原案:松野幹孝の長男)
寡黙でおとなしい父が、ある日急に「映画をつくろうと思っているんだ」と言った時の大きな変化への驚きを覚えています。映画の中で、「私たちは、I am パーキンソン病ではなく、 I have パーキンソン病。 特徴のひとつなんだよ」というセリフがあります。父は“難病”という特徴を得て、多くの素敵な仲間を得て、前向きで活動的に変わっていきました。 この映画を観て初めて、 家族すら分からなかった”難病の当事者”として” 人生の当事者”としての葛藤とその先の変化を理解することができた気がしました。
この映画が1人でも多くの人に届くことを祈っています。

▼応援コメント

■服部信孝(順天堂大学 医学部 脳神経内科 教授)
パーキンソン病は進行性の難病ですが、一方で対症療法が可能な疾患です。日本にはおそらく20万人以上いると推定されています。治療は数年ごとに改善されていますが生活の質を考えた場合、十分満足のいくものとは言い難いのが現状です。加えて日本社会のこの疾患に対する理解も十分とは言えません。「いまダンスをするのは誰だ?」の映画作品は一人のサラリーマンが、この疾患の偏見を払拭したい思いから計画されたもので、企画した当本人は今は天国からこの映画の封切りを心待ちにしていると思います。一人でも多くの方が、この映画を観て病気の本質を理解して頂ければと切に願っております。

■師尾郁(美浜神経内科 院⻑)
15万人から20万人のパーキンソン病患者のうち1割が就労世代であるといわれています。就労世代のパーキンソン病患者は、疾病の受容、家族関係における葛藤、職場での理解獲得、社会生活におけるトラブルなど、さまざまな困難を抱えています。物語では、仕事一筋の中年男性が、さまざまな経験を通じて自己を見つめ直し、気づきを得て成長していく姿が描かれます。周囲の人々も難病の患者さんを受け入れ、インクルーシブ社会(共生社会)を築いていくストーリーが、心温まる映画として描かれています。

『いまダンスをするのは誰だ?』
2023年10月7日(土)より、新宿K‘s cinema他全国順次ロードショー
監督・脚本・原作:古新舜
企画・原案:松野幹孝
音楽:樋口了一 村上ゆき
主題歌:「いまダンスをするのは誰だ?」樋口了一(テイチクエンタテインメント)
出演:樋口了一 小島のぞみ 山本華菜乃 塩谷瞬 IZAM 吉満寛人 渋谷哲平 新井康弘 椿鮒子 むかい誠一 岡村洋一 森恵美 西田聖志郎 澤田拓郎 あべみほ 静恵一 今安琴奈 杉本彩
配給:アークエンタテインメント

【ストーリー】 功⼀は仕事⼀筋⼈間で⽣きてきたが、家庭を顧みず、妻とはすれ違いが続き、 娘とも仲が悪かった。ある⽇、若年性パーキンソン病だと診断されるも、そ れを受け⼊れられず、⼀⼈孤独を抱えてしまう。職場でも仲間が離れていく。そんな中、 パーキンソン病のコミュニティ「PD SMILE」に通い始める。友⼈が出来、本音を話せるようになり、⼈とのふれあいの⼤切さと痛感する。料理にもチャレンジし⾷⽣活も改め、不仲だった娘ともダンスを通じて、お互いの関係が改善 されていく

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