宇都宮空襲から78年… 未来へつなぐ平和の思いを後世に

 第二次世界大戦中の1945年・今から78年前の7月12日、アメリカ軍によって宇都宮の市街地が爆撃され600人あまりの市民が亡くなりました。

 宇都宮市の図書館では戦争の悲惨さと平和の尊さを後世に伝えようと、企画展が開かれています。そして、宇都宮空襲を今に伝える語り部の女性から平和について考えます。

 宇都宮中央図書館では1階のロビーと3階の展示コーナーで宇都宮空襲の写真や戦争に関する本など合わせて約50点が展示されています。市では戦争を知って平和について考えるきっかけになればと宇都宮空襲があった78年前の7月12日から終戦の日の8月15日までを平和月間と定め、この期間中、市内の5つの図書館で平和に関する特設コーナーを設けています。

 1945年7月12日の深夜、アメリカ軍の爆撃による宇都宮空襲で現在のJR宇都宮駅から東武宇都宮駅にかけての中心市街地が被災しました。600人あまりが亡くなり1000人を超える人たちが負傷し、市街地の約65%が焼け野原になったといいます。

 宇都宮空襲の語り部で宇都宮市に住む毛利且枝さん88歳です。毛利さんは、宇都宮空襲のとき10歳で宇都宮駅の近くに住んでいました。その日は日中、暑かったものの夜になると豪雨に見舞われたといいます。いつもだと逃げられる服装で就寝するところ、この日は雨で雲も厚く空襲は来ないだろうと軽装で寝ていました。空襲が始まりとにかく家族全員で家を出たという毛利さん。逃げた先の田川に火が付いた焼夷弾が流れていたのが印象に残っているといいます。

 毛利さんは宇都宮空襲から78年を迎え当時を知る人が少なくなっている現状を心配していて多くの人にこの体験を伝えていきたいと話します。

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