上斎原振興公社の2019年度の収支が、4006万円の赤字

鏡野町は3日、出資比率が半分以上を占める町内企業5社のうち、上斎原地域の観光施設を運営する上斎原振興公社の2019年度の収支が、4006万円の赤字だったと明らかにした。暖冬による記録的な雪不足で、恩原高原スキー場の営業日数が少なかったのが最も影響したという。
同日開会した町議会で、産業観光課などが決算を報告した。
スキー場は、全面開所した1989年以降最も遅い2月上旬にオープンし、営業日数は12日にとどまった。毎年約1万人が訪れる「恩原高原氷紋まつり」(町主催)も中止となり、来場者は例年の約5万人に遠く及ばない約3000人に落ち込んだ。国民宿舎いつきの客足にも響いたほか、請け負っている除雪車両の出動は減った。経常収益は2億5270万円だった。
2018年度は、スキー場が書き入れ時の1月から一定期間営業でき、255万円の黒字だった。
近年の暖冬傾向の中でオフシーズンの活用手段は課題になっており、高山植物のニッコウキスゲをゲレンデ部分の草原に約1万8000株植えるなどして観光客数の回復を目指している。新型コロナウイルス感染拡大以降は、見ごろの季節にテイクアウトメニューを販売する取り組みも企画された。
他の4企業については、18年度に経営者を交代して道の駅・奥津温泉などを運営している未来奥津(同町井坂)が、3月にかけての観光需要減で92万円の赤字。人形峠環境技術センターの警備業務などを担う人形峠原子力産業(同町上斎原)は590万円、夢広場を経営する鏡野町振興公社(同町円宗寺)は329万円、農業関連のファーム登美(同町富西谷)は227万円の黒字となった。

上斎原振興公社が運営する恩原高原スキー場。雪不足で昨年度の営業日数は12日にとどまった=3日

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