愛犬の命を危険に晒す『首輪』4選!その特徴と正しい選び方までを徹底解説

1.強度や耐久性が低い首輪

犬の首輪を選ぶとき、強度や耐久性が高いものを選ぶことはとても大切です。

犬の首輪は様々なブランドから発売されていて、デザイン性の高いおしゃれなものもたくさんあります。しかし、おしゃれさだけを重視してしまうと、犬の体格や体重に合っていないものを選んでしまいかねないので注意しましょう。

柔らかな布製のものやほどけやすい組み紐状のもの、留め具部分がプラスチック製のものなどは、特に注意が必要です。

また、デザイン性を重視した首輪でも、ある程度強度が高い素材で作られている場合もあります。しかし、安価なものの場合は耐久性に問題がある可能性が高く危険性が高まるので、愛犬の安全を考慮すればできるだけ避けた方がいいでしょう。

なお、普通に歩いているだけであれば問題がなくても、犬が突然ダッシュしたり引っ張ったりしたときは非常に強い力がかかり、首輪がちぎれてしまうことがあります。そのため、犬の首輪を選ぶ場合は、犬がフルパワーを出したときを想定して、そのような状況でも十分な強度を持つ首輪を選ぶようにしてください。

また、どのような素材の首輪でも経年劣化は避けられませんので、定期的に首輪の状態をチェックして、場合によっては買い直すことも大切です。

2.サイズが合っていない首輪

犬の首輪を買うとき、多くの人がサイズに注意して選んでいると思います。サイズの合っていない首輪は、犬に苦痛を与えたり危険にさらしたりする可能性があるので絶対にNGです。

首の太さにぴったりと合いすぎていると、犬は苦しく感じてしまいますし、少し動いただけで毛や皮膚が擦れて傷ができてしまうことがあります。また、その状態の首輪につけたリードを引っ張ると、首の筋肉や気管を痛めてしまう危険性もあります。

反対に、サイズが大きくゆとりがありすぎると、犬の首から抜けてしまうことが考えられます。それが散歩中などに起こった場合、犬が脱走して交通事故に遭ってしまったり迷子になってしまったりすることもあるでしょう。

首輪のサイズは、飼い主さんの指が1~2本入る程度のゆとりを持たせましょう。また、首輪を犬の前方から思い切り引っ張ったときに、抜けてしまわないか確認しておくといいでしょう。

3.細すぎる、太すぎる首輪

首輪のサイズはしっかりと気をつけて選んでいても、太さまで気にしていない飼い主さんもいるのではないでしょうか。

しかし、首輪が体格に対して細すぎると首にくい込んで苦しい思いをさせてしまったり、被毛が切れたり皮膚が擦れてしまったりすることがあります。反対に、太すぎる首輪は窮屈なだけでなく、顔を動かすときにあご部分が擦れて皮膚に炎症を起こしてしまうことも。

基本的に小型犬は1~1.5cm、中型犬は2cm、大型犬は2.5~3cmを目安にして、首輪の太さを決めるといいとされています。

ただし、イタリアングレーハウンドなどのように首が細長いうえに、頭が小さく首の太さとあまり差がない犬種の場合は、首輪が抜けたり首に負担をかけたりしないようにやや幅広のものを選んだ方がいいでしょう。

このように、犬種ごとに適した太さがある場合もあるので、ペットショップやブリーダーに相談すると適切なものが見つかると思います。

4.高い技術が必要なしつけ用首輪

チョークチェーンやスパイクチェーンのように、しつけのために使用する首輪もありますが、これらは扱いが非常に難しいため、一般家庭の飼い主さんはむやみに使用しないでください。

犬が引っ張るとピン状の金属が首に刺さって痛みが生じたり、首が締まって苦しく感じたりする仕組みの首輪ですが、適切な使い方をしなければただ苦痛を与えるだけで、しつけとしての効果は発揮されません。

それどころか、力加減を誤って犬に怪我をさせてしまったり、チアノーゼや失神といった重大なトラブルを引き起こしてしまったりすることもあるでしょう。

このような首輪は基本的に飼い主さんだけで使用することはせず、本当に必要と判断された場合のみ専門家の指導のもと使用するようにしてください。

まとめ

犬の首輪は多種多様で、ファッションの一部としても考えられています。しかし、首輪やリードは愛犬の安全を守るために重要なアイテムでもあるので、デザイン性だけでなく強度や機能に注目して選ぶようにしましょう。

犬種や体格、年齢、行動のくせなどによって適した首輪は異なるため、色々なタイプの首輪をチェックして愛犬にぴったりのものを見つけてくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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