軽快な着け心地とサイズ感 でも中身は本格ダイバーズ　フォルティス「マリンマスター M-40」

時計通の間ではよく知られていても、一般的な知名度はいまひとつ、という時計ブランドがスイスにはいくつもある。「フォルティス」は時計好きならぜひ覚えてほしいブランドのひとつだ。今回はダイバーズウォッチ「マリンマスター M-40」を紹介する。

1912年創業のフォルティスは、常に時代に先駆けた腕時計開発に取り組んできたスイスのブランドだ。自動巻き機構の特許を取得したイギリス人時計師ジョン・ハーウッド（1893〜1964）と共に、1926年に初の自動巻き腕時計を開発し、発売したことで知られている。また、同社は防水時計や宇宙飛行士用の腕時計の開発においても、数多くの実績がある。

マリンマスター M-40 セレニティ・ブルー

防水性が高く、構造もタフなダイバーズはキャンプや登山などのアウトドアシーンにも最適な腕時計だ。2010年頃までは、潜水時の機能やタフネスを重視するあまり、ケースサイズが“小型＆スリム”という時計界のトレンドとは逆に、大きくて厚いものが多かった。

だが、この10年あまり、世界中の時計ブランドは「ダイバーズ＝潜水用ウォッチ」というイメージにとらわれない、日常でも使いやすい製品開発を積極的に進めてきた。具体的にいうなら、水中で使う際の十分な機能性を備えながら、小ぶりなケースサイズ、気持ちが上がる文字盤カラーを採用したスタイリッシュなダイバーズだ。

ウッドペッカー・グリーン文字盤

マリンマスター M-40は、このイメージを先取りし、2021年に誕生した。ケースサイズは直径40㎜で、スタンダードウォッチ級のコンパクトなサイズ。文字盤カラーはロックストーン・グレー、スノー・ホワイトのモノトーンに加え、セレニティ・ブルーやウッドペッカー・グリーンといった鮮やかなカラーが用意されている。

「ギアベゼル」部分はチタンより硬いリサイクルステンレススチール製

手に取って操作性の心地良さに感心するのが、ブラックPVD（Physical Vapor Deposition、物理的蒸着法）加工が施された「ギアベゼル」だ。素材にはリサイクル ステンレス スチールを採用するなど、環境にも配慮されている。海や山でもタフに使えて、デイリーなスタイルにも取り入れられる一本をお探しなら、マリンマスター M-40を推したい。

左から）セレニティ・ブルー、ウッドペッカー・グリーン、ロックストーン・グレー、スノー・ホワイト

FORTIS ／ フォルティス
マリンマスター M-40（Ref.F8120003 セレニティ・ブルー文字盤、Ref. F8120007ウッドペッカー・グリーン文字盤、Ref.F8120005 ロックストーン・グレー文字盤、Ref.F8120009 スノー・ホワイト文字盤） 38万5000円（税込） ※ステンレススチール製ブレスレット仕様は44万円（税込）

SPEC

Text : Yasuhito Shibuya