7月20日に開幕を迎える女子ワールドカップを前に、今回の大会を持って現役を引退することを発表したアメリカ代表FWミーガン・ラピノー。
そして、女性の権利拡大や女性スポーツの同一賃金を求める活動にも積極的に取り組んできた彼女は、『Time』のインタビューに以下のように話して大きな話題を集めることになった。
ミーガン・ラピノー
「我々は国として、人間の『完全な人間性』を法律によって剥奪しようとしている。
このような(トランスジェンダー女性が女子スポーツに参加することを禁止する)法律の支持者は、『女性のスポーツを保護するためだ』と主張することが多い。
しかし、そのような女性のスポーツを武器にしようとする人々にはイライラする。
彼らは公平性を重視している?女性のスポーツに興味を持っている?完全なデタラメだ。
いま、スポーツ界でトランスジェンダーであることを極悪非道に利用している人物がいるなら見せてほしい。それは全く起こっていない。
トランスジェンダーの人々に関してジョークを言うことは、口に出そうが出すまいが、トランスジェンダーに対する暴力に直接つながるものだ。
もしトランスジェンダー女性がアメリカ代表になり、誰かの席を奪ったとしても、それは受け入れなければならない。
『本物の女性の代わりになる』ということ自体がトランスフォビア(トランスジェンダー差別)的な議論だ。
私はトランスジェンダーを『本物の女性』だと見ているからだ。議論の中でそのようなことが出てくること自体、それらのトランスジェンダーを本物の女性だと信じていないということの証明だ。
したがって、トランスジェンダーが他の場所を侵略しようとしていると感じることはない」
なお、元テニスプレーヤーのマルティナ・ナブラチロワはレズビアンとしてLGBTの権利拡大活動を続けている一方、トランスジェンダーの女性スポーツ参加には「生物学的女性の権利が侵害される」として強く反対していることで知られる。
そのナブラチロワはラピノーの発言を受けて「うわぁ…」という一言だけをツイートしている。
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なお、ナブラチロワは生物学的男子、生物学的女子、そして性別を問わないオープンの3つのカテゴリを作り、女子から男子へのトランス、男子から女子へのトランス、そしてノンバイナリーの選手が参加できる場所を作るべきだと提案している。