生誕100周年を迎えた、“パントマイムの神様”と称されるマルセル・マルソーに迫るドキュメンタリー映画「マルセル・マルソー 沈黙のアート」が、2023年9月16日から劇場公開されることが決まった。
ボロボロのシルクハットと赤いバラ、白塗りメイクの道化師“ビップ（BIP）”で知られるマルセル・マルソー。ユダヤ人のマルソーは、父親をアウシュヴィッツで殺害され、第二次世界大戦中にはフランスのレジスタンス運動に身を投じ、自らの身分証を偽造してユダヤ人孤児300人あまりをスイスに逃がした。危険な状況下で、声を発さないコミュニケーション方法は、戦後に独自の芸術表現へと昇華され、国境を越えて愛されるようになった。
「マルセル・マルソー 沈黙のアート」では、言葉をひと言も発さず、身ぶりと表情だけですべてを表現するマルソーの舞台はいかにして生まれたのか、沈黙の表現はなぜ人びとを惹きつけ続けるのかなどについて、豊富なアーカイブ映像を織り交ぜて迫る。
監督は、本作が長編3作目となるマウリツィウス・シュテルクレ・ドルクス。それぞれもパフォーマンス・アーティストである、マルソーの妻アンヌ・シッコ、娘のカミーユ・マルソーとオーレリア・マルソー、孫のルイ・シュヴァリエが、マルソーについて語る。マルソーの家族だからこそ持ち得る、マルソーに対する感覚の違いも映し取られている。マルソーとともにレジスタンス運動に参加した、撮影当時108歳のいとこのジョルジュは、マルソーのレジスタンス運動について語っている。
【作品情報】
マルセル・マルソー 沈黙のアート
2023年9月16日（土）～シアター・イメージフォーラムにてロードショー、全国順次公開
配給：パンドラ
