「慌てず、凍りついたように」世界的指揮者・佐渡さんが母校で指導 音色にかける「魔法」伝授

真剣な表情で佐渡さんのレッスンを受ける生徒たち(京都市中京区・京都堀川音楽高)

 世界的に活躍するオーケストラ指揮者佐渡裕さん(62)が、母校の京都堀川音楽高(京都市中京区)で生徒たちを指導した。生徒たちはトップ指揮者の音へのこだわりに触れ、ハーモニーの変化に驚いていた。

 佐渡さんは同高の前身にあたる堀川高音楽課程を卒業。約30年前から毎年訪ねていて、今回は22日の演奏会で生徒たちが披露するブラームス「交響曲第1番ハ短調作品68」を指導した。

 佐渡さんは力強さと繊細さを巧みに指揮。「慌てず、凍りついたように」などと話して音の長さやリズム感を伝えた。生徒の質問にも答え、「音楽家になるには音楽が好きな気持ちと基礎練習が大切。言葉や文化を超えて人を感動させる音楽を皆でつくって」と期待を込めた。

 バイオリン担当の女子生徒(17)は「音色が華やかになる魔法のようだった。私も世界で活躍する音楽家になりたい」と目を輝かせていた。指導は10日に行われた。

 

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