市庁舎の耐震補強予算を過大に算出と8600万円の返還求めた住民訴訟 静岡地裁は請求退ける

静岡市役所清水庁舎の耐震診断に違法性があったなどとして、建築士や市議が前静岡市長に公金を返還させるよう求めた裁判で、静岡地方裁判所は7月13日、原告の請求を却下、一部を棄却しました。

訴えているのは建築士や静岡市議会の議員です。訴状によりますと、2012年度に実施した清水庁舎の耐震診断について耐震性能を低く算定し、補強予算を過大に算出したなどとして、これまでに支払った庁舎移転に関わる事業費約8600万円の公金を前静岡市長に返還させるよう求めています。

静岡地裁の菊池絵理裁判長は13日、「監査請求の期間を越えた請求で、不適法な訴え」などとして原告の訴えを却下、また一部を棄却しました。

原告側は裁判後に会見を開き、「判決理由に根拠がない」と批判し、14日にも東京高等裁判所に控訴する方針を決めました。

静岡市の難波喬司市長は「清水庁舎の耐震診断や移転新築関連業務は正式な手続きを経て適切に行なったものです。市の主張が認められ、結果として原告の請求が却下、棄却されたものと理解しております」とコメントを出しました。

静岡地方裁判所

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