記念日前に「大成功」の意義強調 金正恩氏、国威発揚狙う

北朝鮮が行った新型ICBM「火星18」の発射実験=12日(朝鮮中央通信=共同)

 【ジャカルタ共同】13日の北朝鮮メディアによると、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の12日の発射実験を現地指導した金正恩朝鮮労働党総書記は、朝鮮戦争の休戦協定締結から70年となる27日の前に発射に「大成功」した意義を強調した。国威発揚を狙い、北朝鮮が対米戦争の「戦勝日」とする節目の前に米国を射程圏に収める火星18の発射を行ったとみられる。

 朝鮮中央通信は13日、発射報道とは別の対外向け記事で、日本海側の排他的経済水域(EEZ)は主権を行使できる「領空の一部」だと主張し、米偵察機が2~10日に30回以上EEZ上空に無断侵入したと非難した。こうした敵対行為によって「冷戦時代を超える核危機の局面」が近づく中、党中央軍事委員会が火星18の発射を決めたと北朝鮮メディアは主張している。米軍機がEEZ内を飛び緊張を激化させているとの主張は10日から始めており、27日の記念日前に火星18を発射する名分を増やすため、飛行の非難を始めた可能性がある。

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