「県政への不満の増加が背景に」川勝知事への不信任決議案騒動 “再提出”の可能性も【解説】

いわゆる「コシヒカリ」発言をめぐり静岡県の川勝平太知事の給与・ボーナスが返上されていなかった問題。川勝知事に対して県議会に不信任決議案が提出され、1票差で否決となった一連の経緯について、県政担当の坪内明美記者とお伝えします。

<坪内明美記者>

長丁場となった12日の県議会ですが、自民改革会議は当初、知事の姿勢を問う質疑だけを行う方針でしたが、議員総会の中で「知事に何らかの決議をするべき」との声があり、最終的に不信任決議案の提出に至ったということです。

<滝澤悠希キャスター>

その不信任決議案の採決の結果がこちらです。

<坪内記者>

あと1人で可決という情勢で(第2会派の)「ふじのくに県民クラブ」には、自民改革会議の議員から説得の電話が来ていたということです。採決結果は「否決」となりましたが、県議会の知事への評価は変わりつつあります。

こちらは2021年、知事が辞職勧告決議を受けた時の採決の結果です。この時、反対にはふじのくに県民クラブのほか無所属議員もいました。当時も不信任決議案を検討していましたが見送った経緯があり、今回の提出というのは知事への強い憤りの表れだと感じます。専門家も次のように指摘します。

<静岡大学人文社会科学部 井柳美紀教授>

「川勝県政に対する自民党と知事の対立でもあるんだけれども、バックには世論というものもある。県政に対する不満っていうものが以前と比べると、相対的に増えているということをバックにした出来事だったという風に言えるかもしれないです」

<滝澤キャスター>

不信任決議案は「否決」されましたが、今後はどのような展開があるのでしょうか?

<坪内明美記者>

手続き上は次回以降の県議会でも不信任決議案を提出することができますので、1人でも取り込むことができれば再度、不信任決議案が出される可能性もあります。また、9月の県議会で知事が出すとしている給与やボーナス返上のための条例案が可決されるのかもまだ不透明です。

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