【高校野球神奈川大会】法政二高OBで日本人初の大リーガー、村上さんが観戦 「やっぱりいいもんだね」

母校の法政二の応援に駆けつけた村上さん=等々力

 法政二高─上溝高の3回戦が行われた等々力球場のバックネット裏には日本人初のメジャーリーガーとして、球史に名を刻む法政二OBの村上雅則さん(79)の姿があった。新型コロナウイルス感染拡大などの影響もあって、久しぶりに母校の一戦を見守ったレジェンドは「両サイドのスタンドから応援する雰囲気はやっぱりいいもんだね。懐かしいよ」と目尻を下げた。

 法政二は1957年から5年連続で夏の甲子園に出場するなど黄金期を築いた。村上さん自身は3年夏の62年にエースとして君臨したが、準決勝で敗れて聖地には届かなかった。「今年のチームはコールド勝ちが続いているが、まだ実力が分からないね」

 全国屈指の激戦区神奈川でも合同チームが増えるなど、野球人口の減少を憂いている村上さん。熱戦を繰り広げる球児らに向けて、「高校3年間は2度とできない。悔いのない練習、試合をやってもらいたい」と訴え、こうも続けた。「だけど、悔いは残ると思う。その苦しみをどうプラスにして実社会に生かすのか。しっかり向き合った選手にしか乗り越えられない」

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