12日夜から13日朝にかけて富山県内を襲った大雨は、各地で土砂崩れや道路の陥没、浸水被害を引き起こした。深夜から各地で消防や自治体職員らが対応に当たり、夜が明けると、無残な爪跡が広がっていた。13日も断続的に雨が降る中、住民が片付けや対策に追われた。
●「車が浮いた」冠水道路に進入 富山の市道、気付かず
県内各地で道路が冠水した13日未明、富山市黒崎の市道では、同市の自営業野村勇介さん(25)の乗用車が水没して自力走行できなくなった。野村さんは激しい雨で視界が悪い中を運転しており、「気づいたときには水に突っ込んでいた。車が急に浮いて制御できなくなった」。
野村さんによると、午前1時半ごろ、仕事から帰る途中で冠水していた市道に進入、車体の半分が漬かった。ドアが開かなくなり、貴重品などを持って、運転席の窓から脱出した。水の深さは1メートルを超えていたという。
現場は北陸自動車道の富山インターチェンジ近く。市道のそばには「冠水時通行注意」と書かれた看板と、道路の冠水を知らせる赤色の回転灯があった。野村さんは「いつも使う道でこんなことになるとは思わなかった」と振り返った。