神奈川県内経済成長率1.3% 全国より高い成長率 浜銀総研23年度予測 

 浜銀総合研究所(神奈川県横浜市西区)は2023年度の実質県内経済成長率について、前年度比1.3%との見通しを発表した。米欧を中心とする海外経済の低迷や物価上昇により、前年度より減速すると予測。ただ、仕入れコストの上昇が一服して企業業績が回復するほか、近距離が好まれる国内の観光需要が強まるとみられ、全国より高い成長率を見込んだ。

 昨年12月時点の予測値を据え置いた。23年度の実質国内総生産(GDP)の成長率については、1.0%(6月予測)と見込んでいる。

 供給制約の緩和で生産が回復する自動車の輸出が足元で好調な一方、半導体市場は低迷。ただ、23年度中に在庫調整が終わり、24年度に持ち直すとみる。個人消費については、物価上昇による家計の購買力低下で日用品の買い控えがみられ、新型コロナウイルス禍の反動で回復した旅行や外食といったサービス消費も一巡すると予測した。

 一方で県内企業は全国に比べ、仕入れ価格の上昇分を販売価格に十分に転嫁できない傾向にあったといい、調査部の白須光樹・副主任研究員は「仕入れコストが低下すれば全国以上に業績回復の追い風になる」と指摘。観光需要も都心に近接する県内は地の利が働いているという。購買力の低下で「遠距離より近距離」志向がさらに強まるとみる。

 24年度は海外経済が底打ちし、物価上昇も一服すると見込み、成長率を1.5%と予測した。

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