運動の輪、さらに広く 高円宮妃久子さま迎え、山形で県赤十字大会

県赤十字大会会場に到着された日本赤十字社名誉副総裁の高円宮妃久子さま。県赤十字有功会長の寒河江浩二山形新聞会長・主筆(手前左)らが出迎えた=山形市・やまぎん県民ホール

 日本赤十字社名誉副総裁の高円宮妃久子さまを迎え、県赤十字大会が13日、やまぎん県民ホール(県総合文化芸術館)で開かれた。赤十字活動に関わる約700人が出席し、人道や公平、奉仕など七つの基本原則に基づく活動の推進を誓った。

 到着された久子さまを、森田広県議会議長、県赤十字有功会長の寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)らが出迎えた。式典には日赤の鈴木俊彦副社長、日赤県支部長の吉村美栄子知事、同副支部長の佐藤孝弘山形市長らが出席した。吉村知事は昨年8月に本県を襲った豪雨災害や県支部の活動に触れ「今後も赤十字事業の発展に努める」と式辞を述べた。

 久子さまは被災地の復旧復興を願うとともに、県支部の防災減災活動に対し「日ごろから着実な備えを進められており、大変心強い」と語られた。一方で、トルコ・シリア大地震やロシアのウクライナ侵攻などにより世界中で支援を必要としている人がいると強調し「赤十字運動に参加する人々の輪が、さらに広がることを願っている」とあいさつした。

 席上、久子さまがハッピージャパンなど36団体・個人に、寄付やボランティア、献血への功労として金色有功章を授与した。感謝状は6団体・個人が受けた。

 体験発表があり、中山中3年で青少年赤十字メンバーの長岡柚衣さん(14)は、大人が少ない日中の災害発生を想定した避難所運営訓練や防災を含めた町の未来を考える取り組みを紹介した。高畠町赤十字奉仕団委員長の我妻由美子さん(73)は、非常用炊飯袋や耐熱性のあるポリ袋を使った非常食レシピの開発と子どもたちへの指導状況などを説明した。式典後、長岡さんは「『良い発表だった。活動を後輩に引き継いでください』と声をかけてもらった。高校生、社会人になっても赤十字活動に参加したい」と、我妻さんは「『私も“主婦”。レシピが欲しい』と言ってもらい、胸が熱くなった。活動を次世代につないでいく思いを強くした」と話した。

 第2部で県警音楽隊が記念公演した。

 式典後、日赤県支部と有功会が主催する昼食会が会場を移して開かれ、吉村知事と寒河江会長があいさつした。

 県赤十字大会は2016年以来で、赤十字活動の普及拡大や功労者の顕彰などを目的に開催している。久子さまの来県は18年9月に山形市で開かれた天皇賜杯全日本軟式野球大会以来、11度目。赤十字関係では初めて。

赤十字事業に貢献した団体・個人に金色有功章を授与される高円宮妃久子さま(右)=山形市・やまぎん県民ホール
活動のさらなる推進を誓った県赤十字大会=山形市・やまぎん県民ホール

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