夏到来、防げ「熱中症」被害 年間死者千人の半減目標

熱中症による年間死者数

 地球温暖化の影響で最高気温35度以上の猛暑日が増え、最近5年間は熱中症でほぼ毎年千人を超える死者が出ている。被害が深刻化する中、この先懸念される災害級の暑さに備えようと、4月には改正気候変動適応法が成立した。政府は5月、2030年までに年間死者数を半減させるとの目標を掲げた実行計画を閣議決定。市町村に冷房施設を備えたクーリングシェルター(避難所)の事前指定を促すなど、対策強化に乗り出している。

 気象庁によると、地球温暖化に加え、エルニーニョ現象の影響で地球全体の気温は高い状況が続いている。今夏の日本の気温は平年並みか高くなる見込みで、太平洋高気圧の勢力が強くなる8月は特に暑くなる予報も出ており、熱中症に厳重な警戒が必要としている。

 環境省などによると、熱中症による全国の死者は18年以降、21年を除き、千人を大幅に超える年が続いている。搬送者も増加傾向で、22年は約7万人に上った。

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