茨城・笠間の栗で〝ビール〟 2種、コクと苦み 道の駅で15日デビュー販売

「笠間の栗アンバーエール」「笠間の栗リッチエール」。右奥が販売元の代表の鈴木要一さん=笠間市手越

日本一の栗の産地、茨城県笠間市で、地元産の栗ペーストを使った〝ビール〟(発泡酒)の商品が完成した。「笠間の栗アンバーエール」(330ミリリットル)、「笠間の栗リッチエール」(同)の2種類で、15~17日に道の駅かさま(同市手越)で開催の「地ビールフェア」でデビュー販売される。

商品は、同道の駅と地元の「うまい栗焼酎をつくる研究会」(鈴木要一社長)がコラボして企画、開発した。醸造は「さしま河岸ブルワリー」(同県境町)に依頼し、月に490本を製造する体制が整った。

2種類の商品は共にしっかりしたコクと苦みに特徴がある「アンバーエール」。工程の中で、栗ペーストを加え、甘みを出している。「リッチ」は、特に栗の量を2倍にしている。

企画は、笠間の栗を使った商品開発の一環で、管井敏幸同道の駅長(57)が、鈴木社長(67)に「栗のビールができないか」と働きかけ、動き出した。鈴木社長は「それならアンバーエールに」と、まずは試作品をつくり、市民に配って試飲してもらい、アンケートで感想を聞いた。回答の中に「さっぱりしすぎ」という声があったことから、より深みを出すため、麦芽の量を増やす一方、苦みを抑えるため、糖分や香料を調整するなど工夫を重ねたという。

それぞれの商品の違いを、鈴木社長は「アンバーエールはうまみがある」「リッチエールは上品な味わい」と表現する。

一方、瓶に貼るラベルにも工夫を凝らし、販売元となる同研究会の登録商標「十三天狗の伝説」にちなみ、頭に栗を載せたかわいらしい天狗のイラストを組み合わせた。同道の駅とのコラボを明示するため、同駅のロゴマークも表示している。

鈴木社長は「栗らしい風味を出すのがなかなか大変だった。(開発した商品が)笠間の栗をもっと広く知ってもらうことに役立てれば」と話している。

販売価格は「アンバーエール」680円、「リッチエールが」780円。

地ビールフェアは、同道の駅主催で、午前10時~午後5時。しもつまビール(同県下妻市)、やみぞ森林ビール(同県大子町)、さしま茶エール(境町)が参加する。茨城大の小原規宏准教授のゼミの提案になる「栗アンバーエール」に合うおつまみも販売する。

問い合わせは同道の駅(電)0296(71)5355。

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