「仮設っていっても、みんなにとっては仮じゃない」宮藤官九郎監督作「季節のない街」予告編

宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手がけ、池松壮亮が主人公を演じる、仮設の街を舞台にした青春群像エンターテイメントドラマ「季節のない街」が、8月9日よりディズニープラス「スター」にて全話一挙配信される。このほど、本予告編がお披露目となった。

本作は、宮藤が長年温めてきた企画で、山本周五郎の小説「季節のない街」を映像化。この小説は、黒澤明監督が映画化し、『どですかでん』のタイトルで1970年に公開されたことでも知られる不朽の名作。誰もがその日の暮らしに追われる、裕福とはいえない“街”を舞台に弱さや狡さを隠さずに逞しく生きる、個性豊かな住人たちの悲喜を紡いだ物語である。この傑作小説をベースに、本作では、舞台となる「街」を、12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失いこの「街」にやってきた主人公が、「街」の住人たちの姿に希望をみつけ、人生を再生していく青春群像エンターテイメントとして描く。

予告編は、主人公・田中新助(池松壮亮)が相棒猫・トラ(ベーコン)と、街にやってくるシーンから始まる。“ナニ”と呼ばれる災害で被災した人々が暮らす仮設住宅が建てられてから12年が経ち、世間からは「忘れられた街」となっている。街で見たものや聞いた話をメールで報告するだけで報酬がもらえるという怪しい仕事のためにやってきた新助は、早速「どですかでん~、どですかでん」と毎日見えない電車を走らせる六ちゃん(濱田岳)に遭遇。六ちゃんから、半ズボンを履いているからという理由だけで「半助」と命名され、なぜ「半助」と字名されたのかが明らかに。

半助を街の青年部に引き入れるタツヤ(仲野太賀)、青年部のメンバーで酒屋の息子・オカベ(渡辺大知)の姿のほか、無口なかつ子(三浦透子)、六ちゃんとともに仏壇に手を合わせる母・くに子(片桐はいり)、街を見守るたんばさん(ベンガル)、タツヤの母・しのぶ(坂井真紀)とタツヤの兄・シンゴ(YOUNG DAIS)が再会するシーン、隣に住む大親友の益夫(増⼦直純)と初太郎(荒川良々)の楽しげな様子、その妻・光代(高橋メアリージュン)と良江(MEGUMI)、博識なホームレス父(⼜吉直樹)と息子(⼤沢⼀菜)、気品をまとった男・島さん(藤井隆)と、そのワイフ(LiLiCo)がキャベツを手に八百屋に啖呵をきる姿、街の暴れん坊・熊(奥野瑛太)などが映し出され、優しい夫・良太郎(塚地武雅)の妻でともに5人の子どもを育てる、元アイドルのみさお(前田敦子)のビフォー・アフターも映し出される。予告の終盤では、この街に暮らし、次第にここが自分の居場所だと感じはじめた半助と、この街に変化が訪れることを予感させる。

音楽は、宮藤官九郎とのタッグが多い大友良英が担当し、大友節の効いた軽快なリズムが映像を盛り上げる。また、兼ねてより本作の撮影のためにゼロから街を制作されたセットの全貌も垣間みることができる。

「季節のない街」
2023年8月9日(水)より、ディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」「スター」にて全10話一挙独占配信
原作:山本周五郎「季節のない街」
企画・監督・脚本:宮藤官九郎
監督:横浜聡子 渡辺直樹
出演:池松壮亮 仲野太賀 渡辺大知 三浦透子 濱田岳 増⼦直純 荒川良々 MEGUMI 高橋メアリージュン ⼜吉直樹 前田敦子 塚地武雅 YOUNG DAIS ⼤沢⼀菜 奥野瑛太 佐津川愛美 坂井真紀 片桐はいり 広岡由⾥⼦ LiLiCo 藤井隆 鶴⾒⾠吾 ベンガル 岩松了

【ストーリー】 “ナニ”から12年…この街には、“ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。今もまだ、18世帯ものワケあり住人が暮らしていたが、月収12万超えると「即立退き」とあって、皆ギリギリの生活を送っていた。主人公の田中新助こと半助は、街で見たもの、聞いた話を報告するだけで「最大一万円!」もらえると軽い気持ちで、この街に潜入する。だが、半助こそ“ナニ”によって何もかも失い、ただ生きているだけの男だった。しかし、ギリギリの生活の中で、逞しく生きるワケあり住人らを観察するうち半助は次第に、この街の住人たちを好きになっていく。そんな中、仮設住宅が取り壊されるという噂が街に流れはじめるのだが……。

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