「常時広告物」表示可能箇所、2→11施設に増加 改正県都市公園条例、今月施行

 改正県都市公園条例が今月、施行された。県所有の都市公園で「常時広告物」を表示できる箇所が、従来の2公園内2施設から5公園内11施設に増えた。公園の指定管理者は広告収入を得るが、広告料による増収分は、次期の指定管理料から減額される。広告収入の行方と在り方を巡り、県議会建設常任委員会では「指定管理者のモチベーションが上がらない」との指摘が出された。

 条例の改正後に広告表示が可能な公園・施設は表の通り。改正の目的について、県は「プロスポーツ人気の高まりや施設のリニューアルなどによって、広告を表示する商業的価値が高まった」と説明する。表示箇所は施設の内部とし、「できるだけ風致および美観に調和するもの」と定めている。

 県都市計画課によると、指定管理者は県から支払われる指定管理料と利用料収入で公園の管理を賄う。広告収入も利用料収入に含まれる。次期管理期間の指定管理料は、当期の利用料収入に見合った額を算定するため、広告での増収分が減額される。

 条例改正案は先の県議会6月定例会で審議された。建設常任委の議論で、県議は「(広告収入分を)単純に指定管理料から減額せず、指定管理者に何らかの形で還元するとか、公園の施設整備に充てることが望ましいのではないか」と提案した。別の県議は、公園の施設整備に充てる仕組みを前提に「広告を出す側のモチベーションも違ってくるし、企業のイメージアップにもつながる」と訴えた。

 県の担当課長は「指定管理者がモチベーションを保つことができ、県と指定管理者双方のメリットとなるように検討を重ねたい」と答弁。新たなルール作りにも前向きな姿勢を見せた。

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