中身に「なぜ?」でも「懐かしい」 50年ぶりタイムカプセル開封 和徳小(青森・弘前市)

開封したタイムカプセルに興味津々の和徳小の児童たち
タイムカプセルの中身にスマートフォンやカメラを向ける当時の在校生たち
「家庭科の教科書」

 今年創立150年目を迎えた青森県弘前市の和徳小学校が13日、50年前に埋めたタイムカプセルを開けた。半世紀ぶりに姿を現したカプセルの中身は…。参加した当時の在校生たちは「なぜ教科書を入れたんだろう?」と戸惑いつつも、懐かしの校舎を前に旧交を温めた。

 開封したのは創立100周年の1974年に埋めたタイムカプセル。全校児童約240人と当時の在校生、教職員らが見守るなか、ふたの石をクレーン車で持ち上げ、木箱のカプセルを開けた。湿気対策として入れた炭を取り除くと、中から5年生用の家庭科の教科書が出てきた。

 当時6年生だった阿保貞雄さん(61)は「残っていてくれてありがたい。企画してくれた先生方に感謝したい」、当時6年4組の担任だった横山圭子さん(90)は「中身はちょっとがっかり。でも、子どもたちが多くにぎやかな当時を思い出し、懐かしい気分」と喜んでいた。

 児童たちも興味津々。カプセルをのぞき込み、「ガチじゃん」「すごーい」と歓声を上げた。2年生の神瑛太(えいた)君(8)は「50年前の教科書を目にし、学校の歴史のすごさを感じた」、6年生の村上颯來(そら)君(11)は「貴重なシーンを見ることができてよかった」と話した。

 教科書は8月7~10日と10月1日、卒業生と地域住民向けに校内で展示予定。20日には児童が新たにタイムカプセルを埋め、30年後に開ける予定。和徳小は1874年1月に弘前二番小学として開校し、1947年に現在の校名となった。

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