里帰り、マムロガワクジラ 化石群、19日から企画展・真室川町立歴史民俗資料館

「マムロガワクジラ」の里帰りに向け、会場設営が進む真室川町立歴史民俗資料館

 真室川町内で30年前に発掘され、県立博物館(山形市)が昨年全化石を初公開して話題となったクジラの化石群「マムロガワクジラ」が初めて“里帰り”する。同館が全面協力し、「おかえりなさいマムロガワクジラ展」と銘打った企画展を19日から町立歴史民俗資料館で開催する。

 マムロガワクジラは、1992年から94年にかけて大沢の町道工事現場で発見されたヒゲクジラ類のナガスクジラ科やハクジラ類のマッコウクジラ科などの化石群を指す。約600万年前の地層から、多数の個体の化石が見つかった。

 発掘調査は県教育委員会が実施し、見つかった化石は県が所有、県立博物館で保管していた。町民の目に触れる機会は少なく、昨年の初公開の盛り上がりを見た町が町内でも展示したいと考え、県立博物館に協力を求めて実現した。

 町立資料館では発掘された化石113点が並ぶ予定。会場では4メートルほどあるナガスクジラ科の下顎の化石がまず目に入る。マッコウクジラ科の肩甲骨やナガスクジラ科の岩のような頸椎(けいつい)などもある。どの場所でどの部位の化石が見つかったかが分かる産状図や発掘風景の写真も展示する。高橋剛文(よしふみ)館長は「真室川には古代から豊かな自然があったことを感じてほしい」と話している。

 企画展は9月24日まで。会期中、入館料を無料とする。

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