滋賀県警の捜査用似顔絵の講習会が大津市の県警本部であり、各署の警察官ら約30人が事件解決の鍵を握る似顔絵の描き方の基本を学んだ。
県警鑑識課が技術向上を目的に年1回開いている。県警によると、昨年1年間で容疑者の似顔絵を作成した事件は41件あった。今年は21件あり、3月には、似顔絵を基に事件発生から4時間で容疑者特定につながった事件もあるという。特殊詐欺などの捜査では積極的に似顔絵を用いるため、昨年から「似顔絵技能員」制度を設けた。
これまでに約150枚の似顔絵を作成してきたという鑑識課の林﨑吉孝警部補(43)が講師となり、「目撃者の言葉を追究して具体的な特徴を聞き取る聴取力と、見た物を見たままに描ける基本的なデッサン力が大切」と指導。目鼻と口のバランスや髪の分け目など、得た情報を正確に描くために意識するポイントを説明した。
参加者は犯人の年代や身長のみを伝えられると、講師に質問を重ねて顔の雰囲気や髪形などの特徴を聞き出し、再現することに挑戦した。
林﨑警部補は「いつかAIが似顔絵を描く時代が来るかもしれないが、現場では人間の技術がまだまだ必要。積極的に経験を積み、失敗と考察を重ねてほしい」と話した。