ストロング王座挑戦を控える中之上靖文
大日本プロレスの中之上靖文が直前に迫った7月16日(日)東京・後楽園ホール大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座を懸けて争う王者・青木優也に対する想いを語った。
若き王者・青木優也との大一番に向けた意気込み、また無期限休業前に一騎打ちを行った岡林裕二、今年2月に引退した師匠・武藤敬司、そして今後の展望についてなど様々な質問を行った。
ストロングヘビーの王者は「心も体も強くないとなれない」と語る中之上に、プロレスTODAYが独占インタビュー。
【大会名】後楽園ホール大会
【日 時】2023年7月16日(日)17:30 開場 18:30 開始
【会 場】東京・後楽園ホール
※小学生以下当日券無料!!
▼セミファイナル BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合
30分1本勝負
【第21代王者】青木優也 vs【挑戦者】中之上靖文
※2度目の防衛戦
①王座戦への意気込み
ーー7月16日(日)後楽園ホール大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級選手権、王者である青木優也選手への挑戦が決定しております。まずは王座挑戦についての意気込みをお聞かせください。
ベルトは1回取ったことあるんすけど2021年の9月まで持ってたのかな。もう約2年。6人タッグとかは持ってたりしてたんですけど、2年間何もないっていうのやっぱり寂しいもんがありますし、今回はすごいやる気に満ち溢れてますね。
ーーそのやる気が初防衛戦を終えた直後の行動に出たっていうことですね。
岡林さんっていう大黒柱がやっぱり無期限休業という形で抜けてしまうのもあったりとかして、頑張っていかないといけない。行けるときに行かないとなって思うし、本当にコンディションも大きな怪我もなく、いい状態なので。もう俺が行こうという感じですね。
ーーなるほど。あのときは居ても立ってもいられないというようなそんな心境だったんですね。
浜選手が倒されたら俺しかいないだろうっていう感じですね。
ーー王者としても2度目の防衛戦なんでここでつまずくわけにはいかないと思っているでしょうね。中之上選手自身が心技体でいうと、今は年齢的な部分も踏まえて、ものすごい脂乗ってる時期かと思います。
コンディションは悪くないというか、全然いいですし、本当に大けがをせずここまで来れたのでベストでいけると思いますね。
ーー後楽園に来るお客様に対して、ベストマッチを提供すると。
はい。
②北海道遠征を終えた心境
ーー前哨戦対決でもこの北海道遠征を終えた感想はいかがですか。
終わってみたら早かったですね。
ーー肉体的な疲労感はどうでしたか。
いや、きつかったっすね
ーーやはりそうですか。
僕だけじゃなく他の人も含めて連戦で、やっぱり動きがちょっと鈍いというような気がしましたね。後半の二、三試合は本当にきつかったですね。
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③王者・青木優也の印象は?
©大日本プロレス
ーーそんな中でも対戦しながら感じた王者のコンディションとかはやってみていかがでした。
いや、若いですね。コンディションいいと思います。やっぱり練習熱心ですし、もうちょっと何とかなるかなと思ったんですけど。そういう弱気な姿を見せなかった。
ーー若さと熱さみたいなものを前面に出してくる王者ですね。現在の王者・青木優也選手の印象ってのはいかがですか。
やっぱりめちゃくちゃ努力したんだろうなっていうのは見えますし、普段道場でも合同練習とか一緒にやったりする中で、人一倍頑張ってるなってのは感じますね。2年前にタイトルマッチをやったときも、コロナから復帰してすぐぐらいでも、そんな感じを見せなかったですね。
ーーそれはリスペクトしますよね。肉体的にもビルドアップしてヘビー級戦線で耐えうる体作りも努力が感じます。
④ストロングBJに耐えうる肉体づくり
ーー中之上選手も当時から比べると肉体改造もされて、説得力も違うしすごいなと本当に思います。
単純にひたすら食べただけです(笑)その中でも体重増やさないと関本・岡林には勝てない。そう思って食べましたね。
ーー食べるのもかなり頑張ったのですか?
食べるの頑張りましたね。3食しっかり食べるようにしました。夜は夜でやっぱ皆さんいっぱい食べると思うんすけど、朝食はどうしても食べにくくて。変えていこうと思ってお茶とか水に流し込んで、とにかく炭水化物とかを入れようと思って。そういうのもトレーニングですけど、やっぱしんどいですよね。それでもちゃんと米食べようと決めて、そこが大きかったっすね。
ーーその努力の甲斐があって肉体改造されて、関本選手や岡林選手に次ぐ、肉体派というか説得力っていうのは生まれましたね。
デカイ方がいいっすね、プロレスは。
ーー壊れないなっていう感じはありますね。いくらやってもこの人だったら壊れないだろうなっていう安心感みたいなものは、レスラーの中でもすごくあると思うんですよね。
⑤プロレスを目指したきっかけ
ーー中之上選手はプロレスとはどういうキッカケだったのですか。
何かわかんないですけど。プロレスが見たいとか言い出したんです。ちょっと見てたわけじゃないですし、親が好きだったわけでもないですけど、たまたまレンタルビデオを観て誰かも全然わかってないです。喜んでたんすね。高校卒業してどうするかって悩んだんですけど、勉強も嫌で大学行きたくなくて働く気でいたんすけど。働くのもなかなか難しそうだったので、アニマル浜口さんのジムに自分で行って、見学させてもらって、ちょっとそこで練習してみてちょっと感動してたんですよね。ここで練習したいなと思って、そこで目指したいと思うのが一番のキッカケだったんですね。
ーーそのときの同期というか一緒にやってた人はどなたですか?
ちょっと上に内藤さんとか下には橋本和樹とかがいましたね。
ーーみんなが切磋琢磨してた時代だったんですね。
みんなレスラー目指してる仲間ばっかりやったので、それぞれは負けたくないというか、切磋琢磨ですね。
ーーそういう意味を踏まえても、これからの時代をまだまだ築いていかないといけないですね。
はい、負けないっすよ。そうっすねレスラーのピークってこれからですからね。中之上ここにありを見せます。
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⑥無期限休業前の岡林裕二との一騎打ち、休業について
ーー岡林選手との一騎打ちで肉弾戦で打ち勝った中之上選手だからこそ、真正面でいくような感じですか?
そうですね。岡林さんとの試合。何がどうっていうのは、ちょっとわかんないすけどすごい自信になったというか、うん。なんか強くなった気がしてまして。何が強くなったかって言われてもちょっとわかんないすけど。まず自信がある感じです。
ーー岡林選手から肉弾戦のストロングBJというものを見せていってくれよというような感じなんでしょうか。その岡林選手が無期限休業を発表されました。それについてはどう思われますか?
多分ずっと現役ってなかなか厳しいし、実際問題難しいと僕も思うので、この選択はすごい僕はいい選択かなと思います。元気なうちに次の仕事というのを考えながら。体がボロボロになって足引きずりながら、例えば就職させてくださいってなかなか実際難しいと思うので。もちろん寂しいですし、岡林さんはご家族とかのことを考えて出した決断なので、すごい良い選択だと思います。
©大日本プロレス
ーー人の人生の選択っていうのは、誰かがどうこうできる問題じゃないですからね。新たな選択をされるのか、またマット界に復帰されるのか。
無期限休業なのでそうですよね。休業前のマイクでまた帰ってきていいですかって、あのときは名残惜しい感じでしたね。
ーーマイクすごかったですね。
また、リング上の景色が変わったところも見せたいなっていうのもありますよね。
※関連記事※
【岡林裕二インタビュー】衝撃の「無期限休業宣言」、本人が明かす引退視野と向き合う決断
⑦中之上選手にとってストロングヘビー級王座とは?
©大日本プロレス
ーー中之上選手は以前にもストロングヘビー王者になっていますが、中之上選手にとってストロングヘビー王座とはどういうものとして捉えていらっしゃいますか。
体強くないとダメですね。みんな手加減なしでガンガン来るんで。ストロングヘビーの王者はやっぱ心も体も強くないとなれないかなという感じはしますね。
ーー一瞬のスキをつくっていうより肉体と肉体の真っ向勝負っていうのが、ストロングBJの特徴ですね。
ちょっとでもスキを見せるとやられますし、それはやっぱり岡林さんとか関本さんがずっと作り上げてきたもんなんで。
ーー岡林選手が無期限休業を発表してから編集部でインタビューした際におっしゃってたのが、もう自分が抜けてもストロングBJは絶対大丈夫だと。もう間違いなく今いてるメンバーが自分が抜けても大丈夫な戦いをしてくれると、そういうふうにおっしゃってます。
本当にもう、みんな頑張ってるのですごいと思います。
ーー青木選手が王者になったときに新しい景色みたいなのが見えたなっていう感じがしました。中之上選手自身も過去に自分が王者だったときはいろいろ悩みましたか。
そうっすね。チャンピオンにいざなったらどうしようどうしようと不安しかなかったです。いつもやったらちょっとしんどかったら練習休んでたりしたのが、いや絶対休めないとか、なんかさぼっても誰か見てるんちゃうかとか、王者としてやっぱり背中を見せていかないといけないかなっていう。
ーーやっぱり王者になると、人の目もそうだしストロングの頂点っていうことが、成長に繋がるのですね。
自信にはなりますし、成長したかなわかんないすけど(笑)
ーーそういう覚悟とかプレッシャーが、チャンピオンとしての成長を促すんでしょうね。
そうですね。すごい成長中だと思います。僕も岡林さんに勝ってるし青木も岡林さんに勝って王座獲得したので、なんかすごい楽しみやなと思いますね。
ーー以前は受けて立つ立場でした。今度は立場を逆転しての挑戦っていう部分では、心境的に何か変わることってあったりしますか。
挑戦者でも王者でもいつも通り。年下かもしれないけどあんまり考えず、いつも通り自分のやってきたことをやれば勝てるとは思ってるんすけど、うん。特に岡林さんからも肉弾戦で試合を制した、そういう何らかの力が今の自分には繋がっているはずなんすけど。あると思って北海道行ったらなんか前哨戦でちょっと勝率悪かったんですよね。自信満々で行ったんすけど。
⑧全日本プロレス、WRESTLE-1で行動を共にした師匠・武藤敬司引退について
ーー中之上選手にとって今年は師匠にあたる武藤敬司さんの引退っていうのがあったと思います。ムーンサルトなんかもたまに使われたりしますけど、武藤さん引退から何か感じるものは何かあったりしますか。
試合見れないのは寂しいかなと。実はまだ引退試合は見てないんですよ。
ーーそれは何か理由があって?
いや何となく、何となくSNSでちょこちょこっとしたやつ位で、ほとんど見てないっすね。
ーー寂しいとかで区切りというのが直視できないって感じなんですかね。
何となくしめよっていう気にはならないかなというか、わかんないですけど。
ーー一つの時代を築いた偉大なレスラーの弟子という立場です。
昔の仲間とはこんなこと言ってたよってのは何となく話ししたりします。こういうときはこんなこと言ってたよみたいな話をしたりしてます。
ーー日本マット界には武藤チルドレンも非常に多いので、そういう横の繋がりなんかも踏まえて、いつかまたどっかで巡り合うような再会マッチなんかもいろいろこれからも起こりそうですね。
またいつかそういう時が来るといいですね。
⑨新王者になったら暁には
ーーそして今回、新王者になった暁にはやりたいことはありますか?
前回のチャンピオン時代がちょうど緊急事態宣言中だったりまん延防止等重点措置の期間だったんですよ。
ーーその時期は本当に大変でしたね。
拍手しかなかったので。そこは寂しかったですね。なので、全国で試合やりたいですね、全国制覇。47ってなかなか難しいですけど、そんなに行けてないとこもあるので。どうしても東京中心になってしまうので、ここでやってくれるんだっていうようなとこでやりたいっすね。
ーーそして今回の後楽園大会では「小学生以下の方が当日券無料」ということなので、子供たちがプロレスラーを見て自分もレスラーになりたいとか、大日本の熱いファイトを見て、そんなふうに思ってほしいですよね。
やっぱり小さい子には来てほしいですね、自分も絶対頑張ります!
ーー今日は有難うございました。
インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
▼詳細は団体公式HPへ(当日の対戦カード掲載)
<全対戦カード>
▼メインイベント BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合
蛍光灯4面+Wタワーデスマッチ
30分1本勝負
【第47代王者】アブドーラ・小林
vs
【挑戦者】石川勇希
※初防衛戦
▼セミファイナル BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合
30分1本勝負
【第21代王者】青木優也
vs
【挑戦者】中之上靖文
※2度目の防衛戦
▼第5試合 6人タッグマッチ
30分1本勝負
梶トマト
吉野達彦
関札皓太
vs
阿部史典
橋本和樹
チチャリート・翔暉
▼第4試合 タッグマッチ
30分1本勝負
関本大介
大門寺崇
vs
橋本大地
トリスタン・アーチャー
▼第3試合 有刺鉄線ボード6人タッグデスマッチ
20分1本勝負
伊東竜二
宮本裕向
木髙イサミ
vs
竹田誠志
塚本拓海
菊田一美
▼第2試合 タッグマッチ
20分1本勝負
星野勘九郎
高橋匡哉
vs
浜 亮太
アンディ・ウー
▼オープニングタッグマッチ
15分1本勝負
野村卓矢
永尾颯樹
vs
神谷英慶
朱鷺裕基
※変更カード