岸本知事が海外セールスへ 香港とベトナム、和歌山県産品輸出や観光誘致目指す

ベトナム、香港に海外出張すると発表する岸本周平知事(和歌山県庁で)

 和歌山県の岸本周平知事は今月、香港とベトナムを相次いで訪問する。ベトナムでは省庁と観光交流活性化の覚書などを結び、香港では観光客誘致や県産品輸出の拡大を目指してトップセールスをかける。

 ベトナムへは26~30日の日程。外務省や商工省、農業農村開発省などを訪問する。文化スポーツ観光省とは文化や観光面での交流についての覚書を、労働・傷病兵・社会問題省とは、ベトナムから県内への人材受け入れについて趣意書を締結する予定。和歌山県と同規模のフーイエン省にも訪れ、今後の交流の在り方を検討する。

 運航が決まっている白浜町の南紀白浜空港―ベトナム・ダナンの国際チャーター便で訪れる。県議や青少年交流のための高校生、県が参加者を募っているビジネス関係の視察団も同乗する。視察参加者の募集は当初3日までとしていたが、10日正午までに期間を延長して受け付けている。

 香港訪問は17~19日。訪日団体旅行最大手の旅行会社「EGLツアーズ」社長と面会し、和歌山への誘客をPRしたり、県産品輸出拡大を目指し、食品輸入商社「味珍味」や「香港そごう」を訪れたりする。また、県と相互協力の合意書を結んでいる香港貿易発展局の総裁と経済交流活性化について協議する。

 岸本知事は2月にはインドを訪問。10月で満了するマハラシュトラ州との相互協力の覚書を更新し、経済や文化、観光、青少年交流、スポーツ交流などでの協力を、さらに発展させていくことに合意した。県レスリング協会関係者や県内事業者らも同行し、交流を深めたりインド企業と商談したりした。

 ベトナムとの国際チャーター便運航は、日本との外交関係樹立50周年の記念事業。白浜―ダナンのほか、ハノイ―白浜も1往復する。ハノイからはベトナムの観光客や高校生らが訪れる。観光客は那智勝浦町の那智の滝や白浜町のアドベンチャーワールドなどを訪れ、高校生は紀北の高校生と交流する。日程は26~30日。

 白浜空港発着の国際チャーター便運航は5年半ぶりで、国際線ターミナル完成後では初。岸本知事は「国際線の定期便の就航がベストだが、まずはチャーター便をできるだけ飛ばしてほしい。関係団体に働きかけをしていて、韓国にも領事館を通じてお願いしている」と話した。

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