玉島・南浦「一つ拍子」次世代に 5年ぶり盆祭りへ保存会が指導

保存会メンバーから「一つ拍子」を教わる南浦小児童

 倉敷市玉島黒崎の南浦地区に伝わる盆踊り「一つ拍子」を次世代に引き継いでいこうと、住民でつくる保存会が13日、同所の南浦小で出前講座を開いた。新型コロナウイルス禍と台風の影響で2019年から中止が続いた盆祭りは8月、5年ぶりに開催される予定で、本番に向けて児童たちはメンバーの指導で踊り方を教わった。

 保存会メンバー約20人が訪問。講座には全校児童4人のうち3人が出席し、踊りの歴史について説明を聞いた後、リズムの取り方やかけ声のタイミングを教わりながら踊った。メンバーとともに輪になり、太鼓の打ち手と音頭取りの歌に合わせ「シャントセー」「エーエーヤー」と元気に声を響かせた。

 4年小林鶴真君(10)は「手足をうまく動かせたし、大きなかけ声も出せて楽しかった。踊りの歴史をつないでいきたい」と笑顔を見せた。保存会副会長の赤澤正三さん(75)=同市=は「子どもたちにとって楽しい思い出となることで、地元への愛着を深めてもらえたら、うれしい」と話す。

 保存会によると、一つ拍子はかつて同小近くの寺で行われていたお盆の恒例行事。高齢化による担い手不足で一時途絶えたが、15年に保存会を再結成して継承している。今年の盆祭りは8月14日に同小で開催される。

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