保険金不正「工場長らの指示」 ビッグモーター従業員調査

中古車販売大手ビッグモーターの看板

 中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で、事故車両の修理代を水増しする不正を行った最大の理由として、現場従業員の多くが外部弁護士の調査に「工場長らの指示があった」と回答したことが14日、分かった。各店舗には過剰な営業目標が課せられており、不正が組織ぐるみで行われた実態が改めて浮き彫りとなった。

 ビッグモーターが損害保険各社に調査報告書の全文を開示した。水増しする手口として、車の損傷箇所を増やすために靴下にゴルフボールを入れて振り回してぶつけたり、工具のドライバーを使ってひっかいたりするといった悪質な行為があったことも新たに判明した。不必要な部品交換や塗装品質を実際より高く偽るといった行為のほか、損傷があるように見せかける写真を撮って損保側に提出したケースも。

 不正をした理由では「店舗の売り上げを上げるため」との回答も多かった。調査報告書は、恣意的な降格処分によって経営陣に忖度する企業風土が生まれ、従業員が不正をしてでも営業目標を達成するよう迫られたとの認識を示した。

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